成功する仕事もある。失敗する仕事もある。必死に努力しても、報われるとは限らない

 そんな採用コンセプトを掲げる『株式会社マイナビ』が今、大炎上中だ。

学歴フィルターはあるのか?

 ことの発端は12月6日11時30分ごろにTwitterでつぶやかれたこの一文。

マイナビから送られてきたメールの題名が大東亜以下って露骨に学歴フィルターかかってて草

 投稿者に送られたマイナビからの案内メールのスクリーンショットともに投稿されたツイートは瞬く間に拡散された。首都圏在住の就活生1万6179人に送られたメールの件名はこうだ。

〈第1〉大東亜以下(9)

 早慶上智(早稲田大学・慶應大学・上智大学)、GMARCH(学習院大学、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学)、日東駒専(日本大学、東洋大学、駒澤大学、専修大学)。関西に目を移すと関関同立(関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学)と、有名私大を偏差値で括り大学名の頭文字を並べた造語だ。

 マイナビから送られてきたメールにある「大東亜」とは大東亜帝国と呼ばれる、大東文化大学、東海大学、亜細亜大学、帝京大学、国士舘大学をまとめたもの。

 このメールで、マイナビが大学名を基準に学生を選別しているのではないかという憶測が飛んでしまったのだ。

 企業の求人を見ても「大卒以上」などの言葉はあるが、「日東駒専以上」や「GMARCH出身者歓迎」といった大学のレベルで応募基準を設定することはない。実際にこういった“学歴フィルター”は企業の採用基準にあるのだろうか。

 採用人数の調整や社員に扮して面接をするなど、企業の採用代行を行うフリーランスの人事コンサルタントN氏はこう話す。

「大量の人材採用が必要な飲食業界などはまったく設けてない会社もありますが、内々に基準を設定しているところが圧倒的に多いと思います。もちろん、応募広告には載せていませんけどね」

 さらにN氏は企業側も「本音と建て前がある」と話す。

大手企業になってくると就活生から送られてくるエントリーシートや履歴書は膨大な量になります。一人一人と面接をするわけにもいかないので、書類選考の1次審査で、足切りの基準として学歴を確認しています。

 企業によっては“どんな人でも応募可能”なんて謳ってますが、実際は厳密な採用基準を設けてるなんてことも。学歴だけじゃなく、TOEICまたはTOEFLの点数で明確に基準を決めている場合もありますしね

 今回送られてきたメールは東急グループおよび東急ストアのインターンを募集するものだった。その東急グループは、マイナビに大学名で学生を選別するような指示はしていない、とした。

 マイナビも、12月6日19時ごろ「所属大学によって対応が変わるものではない」と学歴フィルターを否定するとともに、誤送であったとことを謝罪するメールを就活生に送った。

 また、マイナビいわく「大東亜以下(9)」とは「『大東亜帝国』とそれ以下の大学に通う学生と面談できるキャリアアドバイザーは9人」という意味だというが……。学生に広まった不信感はなかなか拭えそうにない。