日本マクドナルドが7日、国内のおよそ2900店舗で、9日から1か月ほど、マックフライポテトのMサイズとLサイズの販売を停止すると発表した。つまり、ポテトは単品のSサイズと、セットメニューのSサイズのみの販売となるわけだ。同商品は昨年末にも1週間休止していた。

 理由は、原料であるポテト輸送の経由地・カナダのバンクーバーでの貨物滞留、同地域の積雪の影響、コロナ禍による世界的な物流網の混乱によるものだという。日本マクドナルドによると、

「原材料の安定調達に向けて、最大限の対応を行ってまいります」

 とのこと。

「コロナ禍でもマクドナルドは、外食産業では独り勝ちしてきた。膨大な量となる原材料を全店舗に途切れることなく届け、ファンに商品を供給し続けてきていましたから」

 そう話すのは、経営コンサルタントの鈴木貴博さん。需要の予想をAI(人工知能)で行なっていることも“独り勝ち”の要因のひとつだと鈴木さん。

「外食産業界では、商品が売り切れて、まだ需要があるのに売れないのが、最大の機会損失なのですが、それもAIで防いでいますからね。それがコロナ禍での大躍進になった」(同・鈴木さん、以下同)

 だが、新型コロナウイルス感染症が再び急拡大したため、強固な物流システムを持つマクドナルドでも対応できなかった。

「短期的に日本国内のポテトに切り替えても、賄いきれないほどの量なんですね。また、あのポテトの独特の風味は国内産では表現できないというところもあるようです」

 さらには、物流網の混乱はマクドナルド以外にも波及していく可能性があるという。

「来るべきして来たという感じがしています。コロナの影響で、確実にモノ不足、そしてそれに伴う値上げが出てくると。マクドナルドのポテト不足は、それを象徴的に示していると思いますね」

 昨年末、大手牛丼チェーンが次々と主力商品である牛丼の値上げを行うなど、値上がり時代が到来している。では、マックフライポテトMサイズ、Lサイズの販売停止は家計にどのような影響を及ぼすのだろうか。Sサイズを複数買うと割高になりそうな気もするが……。節約アドバイザーの和田由貴さんに話を聞いた。

「大きいほうがお得感がありそうですが、そうでもないケースも。例えば居酒屋でビールを注文する際、大半の人が『中生』を注文しますよね。あれは正解で、『大生』はジョッキが大きいだけで、内容量で見ると『中生』より割高な場合もあるんです」

Mサイズが一番ソンだった!

 では、マックフライポテトはどうなのか。同社公式ホームページによると、Sサイズは標準製品重量74グラムに対して150円、Mサイズは135グラム/280円、Lサイズは175グラム/330円。そこから1グラムあたりの値段を算出すると、Sサイズ2.02円、Mサイズ2.07円、Lサイズ1.94円となる。

 つまり、Lサイズがいちばんお得、次いでSサイズで、最も割高なのがMサイズという結果に。

 Mサイズ、Lサイズが販売停止されているいま、Mサイズぐらいのポテトを食べたいなら、Sサイズを2つ注文してもソンはしないようだ……。とにもかくにも、マックフライポテトの完全復活が待ち遠しい!