新人脚本家にチャンスを

 最近はバラエティーの印象が強いフジの“水10”だが、'90年代後半には『ショムニ』、'13年にドラマ枠が復活した際には堺雅人主演の『リーガルハイ』第2シーズンや『若者たち2014』など人気作品が放送されていた。しかし'16年に再びドラマから撤退した経緯がある。

「TBSが火曜、金曜、日曜劇場と枠ごとに特色を打ち出して成功。日テレも水曜に女性を主人公とした作品で成功している中、“月9”を恋愛モノから路線変更して復調しているフジテレビも枠ごとに特色を出し、定着させていきたいのでは」(田幸さん)

 フジテレビに水曜午後10時がドラマ枠になるのかを確認したが、

「編成の詳細はお答えしておりません」

 かつてはリアルタイムの世帯視聴率がヒットの指標だったが、現在は個人視聴率や動画配信での再生回数も重要視されているだけに、新たな試みが次々と始まっている。

「テレ東はYouTubeの公式チャンネルで、深夜帯ドラマをまるごとアップ。動画配信サイトのParaviでは地上波より1週早く見られるなど、ネットに力を入れています」(テレビ誌編集者)

妻夫木聡主演の『若者たち2014』も“水10”で放送された
妻夫木聡主演の『若者たち2014』も“水10”で放送された
【写真】水10枠だった『リーガルハイ』に主演していた堺雅人がロケに臨む姿

 前出の田幸さんは、新設ドラマ枠に期待を寄せる。

「フジテレビが創設した『ヤングシナリオ大賞』からは錚々たる顔ぶれの脚本家が巣立っています。受賞者の野木亜紀子さんは『逃げ恥』などTBS、安達奈緒子さんは『おかえりモネ』などNHKでブレイク。他局に持っていかれています。新人脚本家が新しいチャレンジをする“冒険の枠”としてもいいのではないかと思います」

 ドラマ枠の増加でフジテレビ完全復活となるか!?