洋服を着ることには色のパワーを借りるという意味も含まれる。体力も気力も衰えがちの年代にこそ明るくカラフルな色の服を着て内側から元気もチャージ。
赤やオレンジ、ピンクなど原色や明るい色の洋服がくぼしまさんのスタイリングの基本。
「例えば、春になるとお店にはパステルカラーのお洋服が並びますよね。でも、私は母にパステルカラーはあまり着せないようにしています。
なぜかというと、パステルカラーはもともと原色をくすませた色なので、母くらいの年代の人が着ると肌もくすんで見えてしまうからです」
原色や明るい色の洋服にはうれしい効果があるのだ。
「明るい色を着ると肌がきれいに見えるんですね。母の場合、春にはビビッドなピンクやオレンジの洋服を選ぶようにしています。
まわりの人たちに“元気なおばあちゃま”と思っていただけるよう、明るい色の洋服を着て、色の持つパワーを借りるんです」
原色や明るい色の洋服を着ることで、予想外のメリットを享受できることも。
「シニア世代が明るい色を着るだけで“おしゃれに気を使っているんだな”と思わせることができますよね。それがコミュニケーションツールのひとつにもなるんですよ。実際、母は外出先で女子高生に『おばあちゃん、かわいいね』と声をかけられたそうで、1週間くらいご機嫌で過ごしていました(笑)」
ワントーンにまとめてかわいくおしゃれに
くぼしまさんいわく、カラフルな洋服をおしゃれに見せる秘訣は“ワントーンでまとめる”こと。
「母がお気に入りのオレンジ色の花柄のワンピースには、オレンジ色の無地のロングカーディガンとオレンジ色の靴下を合わせます。
全身をオレンジ色でまとめてもそれぞれの色合いや質感が違えば、奥行きのある着こなしになるんです」
“いきなり明るい色のワンピースはちょっと……”という人には、次のような着こなしがおすすめ。
「手持ちのグレーなど落ち着いた色のシンプルなワンピースに、赤やビビッドなピンクの靴下を合わせると、それだけで小じゃれて見えます。まずはカラフルな靴下から挑戦してみてください」
ほかにも、ショールやスカーフ、バッグなどの小物も明るい色で合わせれば黒や茶系などの暗い色の洋服が生き生きとしてくる。
「黒ならグリーン、茶系にはオレンジを合わせるのもおすすめ。メインのワンピース以外を明るい色のワントーンでまとめることを意識してみて」