“民放の顔”とも言える安住アナの主張に「どうしてもCMが入る民放はスポーツ中継は不利」とは、民放スポーツ局で番組制作に携わるディレクター。
国民・視聴者の受信料で運営するNHKとは違い、民放はスポンサー企業とは切れない関係にあるのはご存知の通り。そのため、中継時にCMを流すのは当然のこと。
「オリンピックに限らず、サッカーW杯をはじめとする各競技の世界大会、また箱根駅伝などの視聴率が見込める人気スポーツの中継番組には、多くのスポンサーからの出資があります。視聴者を離さないタイミングでCMを入れることは、各局のテレビマンの腕の見せ所というわけです。
野球の攻守交代や、サッカーのハーフタイムなどの明確にプレーが途切れる間があるスポーツは助かりますが、オリンピック競技のような順次滑走の場合は難しい。日本人選手のパフォーマンスを逃すわけにはいかないので、外国人選手の滑走時に“はさむ”など中継を途切らせがちになります」(同・ディレクター)
中継途中でブッツリと切れる
同じく、NHKと比較して不利になるのが放送の“尺”。試合や競技が予定よりも長引いた際、以降の番組の放送時間をずらしたり、休止措置、Eテレ(教育テレビ)への切り替えが可能なNHKとは違い、延長放送が無制限とはいかないのが民放。
「オリンピックのような世界規模の大会の場合は、以降の番組が繰り下げ放送になる可能性があることは事前にスポンサーさんに理解をお願いしています。それでも競技後の選手インタビューまでがセットになるのですが、時に中継が途中でブッツリと途切れてしまうケースもあって……。
放送終了後には視聴者からクレームが入ることはもちろん、今ではSNSて炎上騒動になるリスクもあってスポンサーに迷惑がかかることも。実際、民放のスポーツ中継は減ってきていると思いますし、“スポーツはNHKを見た方がいい”という流れになるのも当然というか(苦笑)」(同・ディレクター)
安住アナが言う《民放テレビなんて潰れればいい》といった物騒な事態まではいかずとも、民放の“スポーツ離れ”が起きている面は否めない。