あれだけ“トリオ売り”で成功してきたのに、なぜ芸能界のトリオは減ってしまったのだろうか。
お笑い界の「トリオ」は健在
「大人数のアイドルやK-POPグループのように、たくさんいる中からそれぞれが好みを見つけ出す多様化ですね。それと個々の個性が強くなり、俳優やアーティストが単独で十分魅力をアピールできる時代になったこともあるでしょう。さらにいえば、かつての御三家や三人娘のように、所属する会社をまたいで売り出すことがなくなっていった。メディア側が主導して売り出すことも、時代とともになくなったことも理由のひとつとして考えられます」
というように、トリオ売りはめっきりなくなったが、お笑い界に目を向けると活躍するトリオは多い。東京03、パンサー、ロバート、ジャングルポケット、森三中、若手でいうと、ハナコや四千頭身、3時のヒロイン、ぼる塾(正式には4人組、1人は現在育休中)などといったところか。
「以前、ネプチューンやダチョウ倶楽部ら一部をのそいて、“トリオは売れない”という時代がありました。番組に呼ぶときも、3人のうち1人だけ人気が出ても全員呼ばないといけない。それでやや敬遠されることもありましたね」
というのはある放送作家。しかしここに来て、そんな環境が時代とともに変化していったという。
「ぼる塾がまさにそうですが、3人の仲よしさや楽しそうにしているところがウケています。ハナコの菊田さんがニコニコしてほかの2人を見ている様子だけで、それが楽しげな空気になる。お笑いやバラエティーでは、世の中が求めるものが変わってきたとともに、トリオの需要は高まったと思います」(同前)
芸能界で3人組の文化を継承していくのは、お笑い業界なのかもしれないーー。
〈取材・文/渋谷恭太郎〉