あの母親は2人の仲のいい友人

「ほかのお客さんもいる中で、丹羽容疑者が歩夢くんをグチグチと1、2時間近く説教をしていました。その間、食事はずっとさせてもらえなかったと思う」

 2回目は座敷席だったのだが、歩夢くんは正座をさせられ、その様子を母親の柿本容疑者がスマホで録画するという異様な光景があった。そこで、3回目に来た際、同店店主は石井容疑者に思い切ってこう声をかけたという。

「いつもありがとうございます。お孫さんにちゃんとしつけをされていて、お孫さんもおりこうさんですね」

 すると、石井容疑者はこう答えた。

「“孫じゃないんです。この男性と私が夫婦で、あの母親は2人の仲のいい友人”というんですね。父親じゃない男が、あれだけ長い時間、説教するはおかしい。それで、歩夢くんに話しかけて、名前、年齢、通っている保育園を聞き出したんです」(同・店主、以下同)

 店主がその保育園にすぐに連絡すると、保育園も“他人である丹羽・石井両容疑者と一緒に住んでいる”“生活環境としては問題のある家庭”だと把握していたようだ。

「ほかのお客さんの前でもああだったら、家ではもっとひどいだろうと思って、保育園と相談した上で、市に通報したのです。それ以降、4人は店に来なくなった。そして結局は、あんなとんでもないことになってしまって……。私を含めて近隣の住人、保育園、行政などが協力してなんとかできなかったのか。歩夢くんを助けてあげることができなくて、本当に残念です」

 冒頭にある通り、近隣住民たちは容疑者らを訝しんでいたが、

「あの家は昔から雨戸を閉めっぱなしで、室内の明かりがほとんど見えないし、人の声も聞こえなかったから。でも柿本さんだけは細くて優しそうなお母さんだったけどねぇ」

 柿本容疑者について、ある捜査関係者はこう話す。

「夫のDVで大阪から逃げ出して、埼玉県本庄市に住むママ友のところへ身を寄せていたといいます。ところが、そこも夫に見つかって、今度はそのママ友の知人だった丹羽・石井両容疑者のところへ辿りついた」

 歩夢くんがなぜ死亡したのかについては、いまだに判明していない。