今年1月に脳梗塞で緊急入院し、当初は2月いっぱいまで治療に専念することを発表していた落語家の三遊亭円楽(72)。
「当初、コロナ禍の病院側の体制もあり、家族も面会できない状態が続いていたが、現在は感染対策をした家族は面会できるようになった。所属事務所の社長も、ズームで話しているそうです」(演芸関係者)
円楽の事務所スタッフ、5人中4人が円満退社
治療期間の見積もりはその後大幅に伸び、最新の事務所発表によれば今年7月まで。
屋台骨、稼ぎ頭の円楽が倒れたことで、所属事務所も対策を迫られているという。
「社長と5人のスタッフで運営していたのですが、近々4人が辞めることになるそうです。リストラではなく、希望退職を募ったという形です。全員を集めた席で、事情説明があったと聞きました。働いている人も、円楽師匠がいなければ事務所が同じ体制で持つわけがないと考えていたようで、事情を察した人が自分から辞めます、と手を挙げたそうです。ですから円満退社です」(前出・演芸関係者)
円楽のマネジメントを軸に事務所を切り盛りしてきた社長は女性で、テレビ番組関係者は次のように明かす。
「非常に女性が働生きやすい環境を作っていた人です。5人のスタッフは全員女性です。秋田県にいるデザインスタッフも、コロナ以前からリモート勤務でしたが、きちんと正社員として処遇していました。自身も子育てをしながらの社長業をして、事務所には赤ちゃん用のベッドも置いてありました。乳飲み子を抱いて円楽師匠の旅興行について行くなど、率先して女性が働きやすい環境を作っていたんですが……残念です」
同事務所は、円楽のマネジメントと落語会の興行を、経営の軸としてきた。
「まずコロナが襲った。公的資金や文化行政のAFF(アーツフォーザチューチャー)などで資金繰りをしてきました。そこに円楽師匠の闘病が重なった。いずれ円楽師匠が復帰した際にきちんとマネジメントできるように事務所を守り抜こうと、今回の決断に至ったようです。縮小した上で守り抜く覚悟のようです」(前出・演芸関係者)
ちなみに社長の夫は、漫才師「母心」の嶋川武秀(43)。昨年10月に投開票が行われた高岡市議に初出馬しトップ当選を飾り、市議と漫才師の二足の草鞋を履いている。
「『母心』のマネジメントも事務所でしていますが、『母心』の稼ぎだけでは支えられない。考えてみれば、円楽師匠の稼ぎはすごかったということです」(前出・演芸関係者)
円楽の復帰を待ちながら、社長の奮闘は続く。
〈取材・文/薮入うらら〉