ネタが尽きたあとは……

 また前出の老舗芸能事務所幹部は、「暴露内容について“忖度しない”って言ってましたが、標的になっている人は大手のところじゃないしね」と静観の姿勢をみせているという。

 それでは、マスコミは出現から1ヶ月経ったあとのガーシーについて、どのように評価しているのだろうか。

最初はどんな凄いエピソードが出てくるのか期待していたのですが、芸能記者の間ではよく出ていたような話のディテールを説明している感じで、ネタ自体は実話誌や一部夕刊紙に出るようなものです。週刊誌としては、あまりにも下卑た話で、できないんじゃなくて“やらない”内容が多い。また、基本的には過去の話ですしね。ただ、やはりどのような爆弾が隠されているのか、引き続き視聴は続けます。トーク番組としてエンタメ性に富んでいますし」(週刊誌記者)

 それにしても『ガーシーch』はいつまで続くのか。“27年間アテンド”した芸能人たちのエピソードが尽きたとき番組は終わるだろうか。本人は配信でYouTubeのアカウントが凍結されても、規制されないプラットフォームに移行して暴露を続けるのだという。収益を稼ぎ続けるためには、アッと驚くようなゴシップをコンスタント出さなければならない。

 しかし、今後、彼と付き合おうとする芸能人は現れないだろう。新しいネタを収集するのは難しくなるはずだ。放送ではDMを通じてタレコミがどんどん届いていることや、それを精査して“裏が取れたら暴露する”と発言している。頭の切れる東谷氏のことだから、自分の暴露が終わったあとは視聴者を “ネタ元”にしてチャンネルを運営しようという考えがあるのだろう。まさに『一人週刊誌』といった様相を呈しているが、1つ1つタレコミのウラを取るのは労を要する。一つ間違えば誤報となって、それこそ訴えられることになる。

 この先どうなっていくのか、マスコミの興味は裏話そのものより“ガーシーの未来”に移っている。

<芸能ジャーナリスト・佐々木博之> ◎元フライデー記者。現在も週刊誌等で取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中