「食事の際、芸能活動について相談したら“事務所を紹介してあげる”“俺がキャスティングして売れた子もいる”と。そのときは、相談してよかったと思っていました」
数々の作品に出演する木下を信頼したSさん。この時点では“優しい先輩”だった。
「午後11時ごろ、食事を終えて私が帰ろうとすると“飲み足りないからもう1軒、居酒屋かバーに行こう。帰りの足は気にしなくていいから”と。相談に乗ってくれていたし“タクシーで送ってくれるなら”と思い、もう1杯だけ付き合うことにしたんです」
木下の出した酒を飲むと急に身体に異変が
タクシーに乗り込んだ2人だったが、ここから木下の様子がおかしくなった。
「運転手さんに“〇〇へ”と地名を告げたので、行きつけの店があるのかなと思ったんです。ところが、木下はコンビニの前でタクシーを停めて……。私が不思議そうにしていると“近くに稽古場があるから、そこで飲みなおそう”と。戸惑っていると、“稽古場を紹介したい”“稽古場もバーも変わらない”と言ってきて……。最初から、お店に行かないことは決まっていたような振る舞いでした」
Sさんは動揺したが“もしかすると、今後その稽古場で演技を指導してくれるのかもしれない。そのための紹介だったら、不信感を抱いて断るのは失礼になってしまう”と考え、木下の稽古場に向かうことを受け入れたという。
「“じゃあ、お茶を飲んですぐに帰ります”と伝えて、コンビニの棚からジャスミンティーを手に取りました。しかし、木下はワインを手に取り、私にもお酒やおつまみを選ぶよう指示してきて……。断ることができず、“一杯だけ飲んだら帰ります”と伝えて、アルコール度数の低いカクテル1本とおつまみを選びました。過去の経験から、その程度のお酒なら、人前で酩酊するようなことはないという確信もありました」
その後、待たせていたタクシーに再度乗車すると、1分も経たないうちに“稽古場”に到着した。しかし、そこはSさんの想像とは大きく異なり……。
「着いたのは、ただの古いアパートの一室のような場所でした。中に入ると“そこに座ってなよ”と部屋の隅にあるソファベッドに案内されました。木下は購入したお酒を取り出し、キッチンで私に背を向ける形で見えないようにコップに注いで……。なぜか時間がかかっていて、一瞬不思議に思いました。そもそも私が買ったカクテルは、ボトルから直接飲めるものですし……」
違和感を感じたSさんだったが、早くその場を出ようと考え、「これを飲んだら帰ります」と念押ししたうえで木下が用意した酒を口に運んだ。身体に異変が生じたのは、その5分ほど後だったという。
「突然、平衡感覚を失ったような感覚に陥り、吐き気を催して身体が鉛のように重くなりました。木下はそんな私を見ても慌てる様子なく、私を横になるよう促してソファベッドを広げました」
Sさんが言われるがまま横になっていると、木下は驚きの行動に出た。
「急に抱きつかれ、強引にキスをされました。ショックのあまり泣いて抵抗しましたが、木下は“キス、へたくそか?”と面白がるような態度で……。私は逃げるような思いでトイレに駆け込み、体調の悪さから嘔吐してしまいました。
少し状態が落ち着いてから、早く部屋を出ようとトイレのドアを開けると、電気が消えていて……。待ち受けていた木下は、私のズボンを脱がせてきました。必死に抵抗したんですが、力づくで下着ごと脱がされ……。ベッドの上に私を押し倒すと、馬乗りになって抵抗できない状態にしたうえで、陰部に指を入れたり舐めたりしてきたんです」