大谷も待ち望む、佐々木のメジャー挑戦。しかし、海外移籍にはFA(フリーエージェント)権やポスティング・システム、“25歳ルール”と呼ばれる年齢制限など、複雑な規定がある。今後の動向について、スポーツライターの梅田香子さんに話を聞いた。
現時点では大谷翔平が断然上
「ロッテの井口資仁監督は、現役時代にFA権を行使して大リーグ入りを果たした方なので、移籍への理解はあるはず。もちろん、メジャーでもスターになる可能性は十分。本人の意思と世論の後押しが大切ですが、アメリカ行きは近い将来ありうるかと。メジャーの下部組織にあたるマイナーチームへの移籍なら、年齢制限もない。とはいえ、井口監督が低い年俸で彼を移籍させるとは思えませんが」
メジャー全体としての動きは、佐々木の挑戦を後押しすることになるという。
「現在、大リーグには球団数を拡張する計画があります。次のオフから本格的に協議され、3年以内に2球団が増える可能性が高い。ピッチャーの需要が高まり、佐々木選手の獲得競争は激化するでしょう。大きな額が動けば、球団の承諾も得やすくなります」(梅田さん、以下同)
投手としての大谷と佐々木の違いについては、こう語る。
「大谷選手のほうが身体は仕上がっていますが、投手一本でやってきた佐々木選手の完成度はかなり高い。投球に癖がなく、変化球も抜群です。今のままでも数試合ならメジャーで通用するでしょう。あとは中4日でプレーする体力ですが、これは現時点では大谷選手が断然上。故障を避ける自己管理は、自分との戦いでもあります」
大リーグで1年戦い抜く力は、先輩に軍配が上がった。日米で躍動する大谷と佐々木。2人の「夢の共演」へのカウントダウンは、もう始まっている。