実父が昨年暮れに入院していた
いちばん身近な家族とまで距離をとり、彼女はひとりになってしまった。狂った歯車は直らないまま、明菜は暴走していく。前出の石川氏は、
「ファッション誌の撮影の際、明菜さんは編集者を高級ブランド店に連れていき、棚の端から端まで全部買い占めようとしたことも。仕事をドタキャンすることも増えていき、精神状態は悪化。悪循環に陥っていくのです」
その後もドラマの主演を務めるなど、活動の幅を広げた時期もあったが、彼女の心は次第に壊れていった。
「2010年に体調不良のため無期限活動休止を発表。2014年の紅白に出場してから、活動を再開するも、2017年のディナーショーを最後に、表舞台からは完全に姿を消してしまった」
もう一度、彼女が歌う姿を見たい。なによりも、それをいちばん願っているのは、家族のはず。実父に話を聞こうと、都内にある実家を訪ねると、雨戸は閉ざされ、郵便物は地面に散乱している。引っ越してしまったのだろうか。
近隣住民に話を聞くと、
「お父さんは昨年暮れに体調を崩して入院されたそうです。明菜さんが来たかって? それは、わかりません……」
80代になる実父が入院しても、彼女は会いに訪れることはないのだろうか─。