実は長年の友人でもあるこのふたり、最近もそのやりとりが話題になった。坂上が自身の動画のなかで、野々村を叱ったのだ。動物保護ハウス「さかがみ家」を手伝っていることに対し「向いていないと思うんだったらやらないほうがいい」とピシャリ。ただ、これは坂上が動物保護の大変さを世間に訴えるために、野々村を利用している構図にも見えた。
娘がバラした恐妻家じゃない一面
一方、野々村にもメリットはある。坂上のような人のおかげで「おバカ&いじられキャラ」を維持できるからだ。
しかも、そのキャラを演じているように見せないのがうまい。昨年のインタビューでも、自らを「芸がない『芸NO人』」だとして、
「僕は今もって演じるということをしてなくて素のままテレビに出させていただいています」
と、語っていた。が、素のままでやっている芸能人などいるだろうか。例えば、恐妻家というのも彼のキャラだが、娘の香音には「家では怖い」とバラされている。
そういえば、筆者はかつて『月曜ドラマランド』(フジテレビ系)の現場で、ヒロインの相手役を務める野々村を見た。撮影の合間、劇中の制服姿のままでタバコを吸っていたが、当時、彼は22歳。少々トウが立っていても、イケメン高校生を演じたりするのが「芸能」なのだ。
ところで、純烈の酒井は野々村の自薦に対し「有名になったことがない人が頑張る場が純烈なんです」とコメント。早速、新メンバー構想からは外されてしまった。が、そんなことはハナから織り込み済みだろう。
なにせ、彼はアイドル時代、
「はっきり言って、歌、得意じゃありませんっ!!」
と断言していた。音痴だけは「キャラ」ではなく「素」の話なのだ。話題になっただけで、十分おいしいはずである。
PROFILE●宝泉薫(ほうせん・かおる)●アイドル、二次元、流行歌、ダイエットなど、さまざまなジャンルをテーマに執筆。近著に『平成「一発屋」見聞録』(言視舎)『平成の死 追悼は生きる糧』(KKベストセラーズ)