CMも話題になった個性派シャンプーたち
資生堂『恋コロン、髪にもコロン、ヘアコロンシャンプー』は、当時としては長めの商品名で、目立つ存在だった。
「早見優さんのCMを記憶している人が多いと思いますが、短期間であるものの中森明菜さんバージョンもありましたよね。当時、私は思春期で、もし買ったら父親に“大人ぶっている”と思われそうで恥ずかしいから(笑)、一度も使わず、でもずっと気になっていました」
'80年代前半にはポップな雰囲気のシャンプーが台頭したが、後半になるとおしゃれ感のある製品が目立ってくる。
「キョンキョンこと小泉今日子さんが出ていた資生堂の『スーパーマイルド』のCMを見たときは“シックで素敵なパッケージ!”と感動。当時はファッションもモノトーンや紺ブレ(紺のブレザー)などシックなものが流行していて、時代の気分にマッチ」
資生堂の『マシェリ』は吉川ひなのさんのCMやスリムなボトルを見て「これを使えばおしゃれ女子!」という気持ちで使ったとトロッコさん。
「CMのセリフで“それでも毎日シャンプーしてるんだな”というのがあって。洗いすぎると傷むと思ってシャンプーは数日おきだった人も、毎日するもんなんだ!って思ったのではないでしょうか」
ライオンの『ソフトインワン』は、「ちゃんとリンスしてくれるシャンプー」を略したコピー「ちゃん・リン・シャン」とつぶやく薬師丸ひろ子さんのCMで、忙しいときの朝シャンの味方として人気に。
「テレビ番組で、山田邦子さんがモノマネする『ちゃんりんしゃん』が話題を呼んだことで、さらに大ヒットした記憶も」
リンスインシャンプーといえば、資生堂の『海の恵み・太陽の恵みのリンスで洗うシャンプー』も'90年代女子たちを夢中にさせた商品だ。
「ボトルがブルーの『海の恵み』と、オレンジの『太陽の恵み』のどちらにするか迷いました。リゾートを思わせる香りで洗うのが気持ちよかった」
資生堂の『ティセラ』は、ラップグループEAST END×YURIのYURIさんをはじめとする当時の人気アーティストが続々とCMに登場した。
「細長いボトルにシンプルな書体のロゴと、化粧品のような洗練されたパッケージで、コロンをつけたようないい香り。ジューシー・ジューシー、フローズン・ブルーなど新しい香りが続々と増え、買う楽しみも増しました」