「お互い干渉しないのが住人にとって暗黙のマナー。女性を抱きかかえる男性住人を目撃したとしても、“何かあったんですか”などと声をかける人はいないと思いますよ。ごらんのように一流ホテルのようなエントランス前のロータリーがありますから、タクシーを横付けしてサッとマンションには入りやすい。そんな利便性さえも悪用して犯行におよんだのだとすれば、医師とは思えぬ許しがたい輩ですね」
と容疑者が暮らすタワーマンションの男性住人は吐き捨てる。
その輩は、都内の美容クリニックで院長を務める美容整形外科医の竹澤章一容疑者(42)。部下の20代女性A子さんの飲食物に睡眠薬を混入し、意識をもうろうとさせた上で自宅に連れ込んでわいせつな行為におよんだとして、警視庁捜査1課が準強制性交等とわいせつ目的略取の疑いで6月30日に逮捕した。
警察の取り調べに対し、
「弁護士と相談してから話す」
と容疑の認否を留保しているという。
「事件があったのは4月4日。この日はクリニックの休診日で、竹澤容疑者から前日食事に誘われたA子さんは断りきれず、中央区のレストランで同席する流れに。午後3時という明るい時間帯に食事を始めたものの、A子さんは途中から記憶がなくなり、気がついたときは竹澤容疑者がひとり暮らしするタワマンの部屋で日付けが変わっていた。連れ込まれただけでも怖かったのに、性行為を強要されたような違和感が身体にあったため、知人に話した上で警察に相談したようだ」
と全国紙社会部記者。
A子さんの記憶がなくなったのは会食から1時間もすぎていない4日午後4時前ごろ。トイレなどで離席したすきに食べ物や飲み物に睡眠作用のある薬物を混入させる手口とみられている。A子さんの体内からは睡眠薬の成分が検出された。
「竹澤容疑者はA子さんを抱きかかえるようにタクシーをタワマンに乗り付け、部屋でわいせつ行為におよんだとみられる。A子さんは“2人で食事するのは初めてで乗り気ではなかったが、上司の誘いなので断りきれなかった”などと話しているそう。竹澤容疑者をめぐってはほかにも周辺から類似の被害相談があり、捜査当局が関連を慎重に調べている」(前出の記者)
犯行現場となったタワマンは地下2階、地上58階建てのいわゆる“億ション”。容疑者を見かけたことのある住人が振り返る。
金髪モヒカンの“マッチョ”医師
「身長180センチぐらいのマッチョ体型で、頭髪はサイドをぐるりと周刈り上げ、後ろで一本に束ねた金髪モヒカンです。こちらから会釈したら全く反応せず、香水かボディーソープの匂いをさせてさっさと行ってしまいました。雰囲気からして水商売の方かなと思ったんですが、医師とは驚きました」(女性住人)
高級外国産車で出かける住人が目立つ中、容疑者は電車を乗り継いで勤務先のクリニックに通勤していたとみられる。昨年秋に開業したばかりで、オープニングスタッフ2、3人を抱える“雇われ院長”だった。