受験のプロからすると、彼女の現状はどのように映るのか。『早稲田慶應大学受験専門塾 HIRO ACADEMIA』の代表を務め、多くの受験生を指導してきた小野和久氏に話を聞いた。
「正直、悪くないと思います。大学受験で一番の壁は単語の暗記ですからね。テレビの放送を見ている限り、最低限の基礎は抑えているように思えます」
小倉にとってのプラス要素とは
宇治原と同様に前向きな見解を示す。小倉の強みについて聞くと、
「彼女は国語が得意のようですが、英語や歴史といった課題も日本語で問題が出される以上、国語能力の高さが重要になります。塾側としても国語は生徒の個人の能力に寄るものが大きく、一番教えにくい科目なんですよ。社会人経験があるだけでも日本語能力は高い傾向にありますので、小倉さんの場合、それだけでも十分なアドバンテージです」(小野氏、以下同)
逆に、懸念点はあるのだろうか。
「まだ着手しきれていないからだと思いますが、暗記した単語や知識同士が繋がっていないように思えますね。それが応用力不足に現れていると思います」
小倉の勉強時間は週20時間程度のようだが、この先もっと増やしていくべきかについては、
「うちの生徒には夏休みの期間は600時間、1日に最低でも12時間は勉強することを推奨しています。ただ、人生経験があるだけで応用力や分析力は身につきますので、彼女の場合はここまでの勉強時間は必要ないと思います。また、早稲田も近年は暗記より、応用力や発想力を重視している傾向ですからね。小倉さんにとってプラスになると思いますよ」
とはいえ、倍率は5〜6倍。難関を勝ち抜くにはどのような心構えが必要なのだろう。
「一概には言えませんが、試験日当日まで諦めないことですね。メンタルの強さも大事な要素です」
E判定の逆境を覆して、世間に“100%アピール”なるか。