そこで羽生選手が後進の指導をして……

“ゆづリンク”でスケートをする姿が見られるまで、待ちきれないファンも多そうだが、いったい、いつになるの?

早ければ早いほどいいですよね。プロ転向を発表したので、日本中のみならず世界中が彼に来てほしいと望んでいるはず。まず、仙台はアイスアリーナをつくる意思があるかどうかだけでも、方向性を打ち出すべきです。

 もちろん、設計や場所の問題もありますが、今から1年以内に“つくる”という方針を示せば、3~5年以内には完成すると考えています

 佐藤議員は、その可能性に自信をのぞかせる。

「羽生選手が“故郷・仙台でやりたい”とハッキリと言えるような環境を整え、結果として、そこで羽生選手が後進の指導をして、彼に続くスケーターが輩出されればうれしいですよね。頂点を極めた羽生選手の一言一言は、そういった選手の力になると思うんですよね」

 さらに、世界を巻き込んだ大きな夢もあって……。

「私の夢は、仙台から始まり、最後にまた羽生選手が仙台に帰ってくるような世界ツアーを実現させること。羽生選手がアイスショーのチームを持つことになれば、もちろん世界一のチームになるでしょう。

 子どもたちや、彼のスケートを見たいという人たちの願いを叶えるようなリンクを、羽生選手の故郷・仙台につくりたいと思っています」

折山淑美 '90年代初頭からフィギュアスケートを取材し、'10年代からは羽生結弦を丹念に追っている。'21年には羽生との共著『羽生結弦 未来をつくる』(集英社)を刊行