金沢市としては、まったく認識していないという。では、いったいどこに対して突きつけられた要求だったのか。『百万石まつり』を担当したというイベント代理店に電話で問い合わせると……。
――『百万石まつり』における栗山さんの撮影規制に関して、お伺いしたいのですが。
「あー……。いろいろ、今話せないので。ちょっといろいろ難しくて、現状何もお答えできません……」
金沢市長までコメントを出す事態に
終始歯切れの悪い答えのまま、通話を終えた。関係者が口をつぐむ、栗山を巡るトラブル。事実を確認するべく、6月上旬、栗山の所属事務所に、撮影禁止や無断投稿の取り締まり及び100万円の要求、謝罪を求めていることなどに関して問い合わせると、以下の回答が寄せられた。
《一般の方の撮影を御遠慮頂きたい旨は、今回の御依頼を頂いた際にお伝えし、承諾して頂きましたのでお引き受け致しました。その他については事実ではございません。
弊社は金沢市及びお祭り実行委員会と直接お話した事は一度も無く、間に代理店やキャスティングなど沢山の方が関わっていらっしゃいますので、出演者を守るために色々とご配慮いただいた結果、残念ながら相互の認識に相違が生じた部分はあるかもしれません》
“撮影禁止令”に関しては事実を認めたものの、“1件につき100万円”という無断投稿の取り締まりに関する要求などに関しては事実ではないとし、“認識の相違”との表現にとどまった。
一方、竹中側はというと、
「今回の『百万石まつり』においては、竹中に関するSNS上での写真や動画の使用はまったく問題ございません。観客の方が大勢いらっしゃるああいったイベントでは、撮影は止めようもないと思いますので」(竹中の所属事務所)
祭りでの撮影・録画行為に、なんとも寛容な姿勢を示した。
6月10日、金沢市の村山卓(たかし)市長は、今回の騒動を受け「実行委員会が契約する相手方の事務所あるいは、仲介する事務所との間でしっかりと事前の取り決めをする必要がある」「契約する際にもう少し詰めておくべき所だったのかもしれません」と説明し、竹中・栗山との契約書に市民の撮影禁止といった項目はなかったことを明らかにした――。
“加賀百万石の祖”と称される利家公は草葉の影で今、何を思う。