目次
Page 1
ー アイドルに憧れて『アクターズスタジオ』へ
Page 2
ー 仕事のストレスで過食、婚約を理由に退社
Page 3
ー 加工しないほうが個性出ていいよ!
Page 4
ー 体型を肯定できている今の自分が好き

 

 黒髪ロングヘアに淡いパープルのワンピース姿で現れたえみっくすさんは、“デブ業界の橋本環奈”の愛称で今、人気を集めている。取材開始早々、記者が「今の身長と体重を聞いてもいいですか?」と恐縮しながら問うと、「もちろん♪」と笑顔を見せてくれた。その愛嬌のある表情は噂どおり、タレントの橋本環奈にそっくりだ。

「身長は155cm、体重105キロです。昨日、しゃぶしゃぶ食べ放題に行っちゃったんで……。顔のコンディションのベスト体重は95キロなんです。デブにしては小顔ってよく言われるので、小顔マッサージとか、お手入れは頑張ってます!」

 体型を活かしたライブ配信の活動を中心に、プラスサイズ服のモデルSNSでも注目を浴び、ファンを増やしている。

 今年3月には、多様な女の子のロールモデルを発掘するオーディション『ミスiD』でアイドル賞を受賞。玉城ティナや菅本裕子(ゆうこす)と同じ登竜門をくぐり、幼いころから憧れていたアイドルになる夢を叶えたばかりだ。

 バラエティー番組への出演など、活躍の場を広げる彼女に3歳下の弟から苦情の連絡がきた際は、こう切り返したと明かす。

「弟に“お前がデブとしてテレビに出てるのをいじられてる”って言われて。私もカチンときちゃって。普通のアイドルやモデルさんと同じことを発信してるだけなのに、“ただ太ってるだけでバカにするような友達しか作れなかった浅っい人生を送ってきた自分に、自分で反省しな!”って、つい言い返しちゃって(笑)。でも、今は“ちゃんと信念を持ってやってるなら、いいんじゃない?”って、弟も応援してくれています」

 こうしたサバサバと潔いトークも魅力のひとつだ。ライブ配信でファンの書き込みを読みながら、「誰がデブや!あ、デブかぁ」とノリツッコミする余裕も見せ、大勢のファンを盛り上げている。

 だが、そんな彼女にも、過激なダイエットとリバウンドを繰り返し、誹謗中傷に苦しんだ時期がある――。

アイドルに憧れて『アクターズスタジオ』へ

 北海道旭川市生まれ。物心がついたころからアイドルに憧れていた。モーニング娘。や鈴木亜美が大好きだった。

 AAA・西島隆弘、w-inds.・涼平・龍一などを輩出したタレント養成所『アクターズスタジオ』に通い始めたのは高校生のときだ。2年半、ローカルアイドルとして活動し、ライブもこなした。

「スクールの選抜ではいつも落とされて。選抜レッスンを眺めながら親が迎えにくるのを待つ時間はつらかったです。親はあまりよく思っていなくて、もっとダンスを習いたいとか言い出せなかった」

 大学生になると、メイド喫茶で働き始めた。スクールを辞めた後も、アイドルになる夢が諦められなかったからだ。