俳優の香川照之(56)が司会を務める生放送の情報番組『THE TIME,』(TBS系)で全面謝罪に追い込まれた。
8月25日発売の「週刊新潮」が報じて明るみに出た香川の夜の顔は、昆虫好き、演技巧者というイメージとは相反する、わいせつ・セクハラ行為をする、品性のない素顔だった。
ことが起きたのは2019年7月。銀座のクラブでホステスの下着を脱がせたり、胸を触った、わいせつ写真を若手歌舞伎俳優に送った、その結果女性がPTSDを患ったという。
京都の16歳だった元舞妓も告発
「なぜ3年前の出来事が今になって出てきたのか。しかも女性は当初、店のママを訴えていたが、訴訟は取り下げられた。香川の所属事務所が『相手の方には、本人から深い反省と謝罪の気持ちをお伝えし、ご理解とお許しをいただいております』と釈明していたことからも推察できるとおり、何らかの和解、もしくは問題にしないという合意が成立している。それが今になって出て来た。リークすることで、得する誰かがいるのか」
とスポーツ紙記者は首をひねるが、香川のやらかしについては、
「ひどすぎる。酒の席だったという言い訳が通じないくらいに」
とバッサリ切り捨てる。
“銀座のクラブ”“3年前の出来事”から連想されるのは、数か月前にメディアを賑わせた京都の元舞妓による告発。当時16歳だった舞妓が酒を飲まされ、客との混浴を強要されそうになった、と打ち明けた一件だ。
銀座に精通したベテランライターは、遊び場の変化をこう読み解く。
「かつて、祇園や銀座の高級店で遊んでいる限り、芸能人のやらかしは表沙汰にはならなかった。そもそも品よく遊んでいましたしね。今の芸能人はそれができない。香川の遊び方はダメだし、舞妓を酔わせて混浴させようとしたこともダメで、弁解の余地はない。ただ、昔は、内々に処理されたのが、今という時代は、埋もれずに表面化するようになったということです」
さらに一拍置いて、
「祇園の件は、当事者の元舞妓の告発ですから止めようがありませんが、彼女のツイッターに『この世から抹消されるかもしれんけど』という一文があったことからもわかるように、表に出してはいけない、という大前提がある。それを吹っ切っての勇気ある告発だった。
香川の件も、一度決着してからの表面化ですから、客が思うとおりすべてがコントロールできる時代は終わった、ということです。何年経とうが、不快な思いをさせたことは消えない。芸能人もそのあたりを肝に銘じるべきでしょうね」
全面謝罪に追い込まれた香川の失態は、身に覚えのある芸能人にとって決して人ごとではない。芸能人も襟を正さなければならない時代だ。
〈取材・文/薮入うらら〉