“親子断絶”について聞くため、9月上旬、東京・市ケ谷にある日本棋院から出てきた宮沢九段を直撃。
─さかなクンの映画はご覧になりましたか?
「まだ見てないんです。そのうち見たいですが」
満面の笑みで答えてくれたが、次の質問に表情が曇る。
─さかなクンの“フィッシュハウス”に行ったことは?
「いえ、全然……」
─行けない理由がある?
「まあ……」
家庭内での暴力を否定せず
─かつて、お父さんが家族に暴力を振るっていたと話す人がいます。
「……そう言う人がいるのなら、そのとおりなのでしょう」
否定はせず、酒グセが悪いことも自ら認めた。絶縁の理由については口をつぐんだが、今も離婚はしていないという。
─映画では厳格な父として描かれていたが、さかなクンが魚ばかりにのめり込むことに反対だった?
「子どもの教育は母親任せで僕はノータッチだった。反対はしてないです。私も好きなことをやってほしかった」
─映画にもなった息子のことは誇らしい?
「それは、もう。本当は子どもたちには囲碁をやってほしかったけど全然覚えてくれなかったんです」
丁寧に話す横顔は、どこか寂しげに見えた。