人間はOKでも犬には毒になる食材
犬は基本的に雑食だが、食べてはいけない食材もある。
「ニラ、長ねぎ、玉ねぎ、にんにくなどに多く含まれている硫化アリルによって、貧血を起こすことがあります。命に関わる危険があるので、与えないようにしましょう。
また、チョコレートも要注意。少量ならまず問題ありませんが、食べすぎると震えやけいれんを起こすことも。
そのほか、香辛料などは、胃腸を刺激して嘔吐や下痢を引き起こす場合があります。手作りごはんにこしょうなどのスパイスを加えることは絶対にやめましょう」
長谷川さんは、ペットの健康長寿には、何より「食事」が大切だと言う。そこで、飼い主さんにおすすめしているのが“手作り食”だ。
「ドッグフードを与えることは決して悪いわけではありませんが、手作り食の大きなメリットに、ドッグフードよりたくさんの水分をとれることがあります。とくにシニア犬には“隠れ水分不足”が多く、水分摂取はとても重要です」
実際、どんなものを食べさせたらいいのか。
「作り方のルールは簡単です。穀物:肉または魚:野菜=1:1:1の割合にして、たっぷりの水で煮ること、これだけです。わかりやすく言えば、おじやをあげるイメージです。肉や野菜から出汁が出るため、味つけは不要です」
食材を変えて栄養バランスをとることは大事だが、長い目で見てバランスがとれていれば十分。
「量は、ワンちゃんの頭のサイズに合う帽子くらいの量が1回分。これを朝晩2回食べさせてほしいのですが、難しければ2回のうち1回をドッグフードにしてもOK。とにかく長く続けることがいちばん大切なので、無理なく続けられる頻度や方法で、ゆるく続けてみてください」
【愛犬の健康に悪影響なNG行動】
■首輪にリードをつなぐ
■部屋の中に芳香剤を置いている
■安心させようと思ってケージに入れっぱなし
■小型犬、老犬だからとあまり散歩をしない
■「8歳になったから」とシニア用ドッグフードを与える
■ニラ、ねぎを与える
■チョコレートを与える
なかには散歩が嫌いな犬や、老犬で歩けない犬もいるが、飼い主と一緒に外に出るだけでも気分転換になる。散歩によって人間のほうにもリラックス効果があるともいわれている。
お話を伺ったのは……
獣医師。ペットクリニックZero/ペットスキンケアサロンZero院長。北里大学獣医学部卒業後、埼玉・新潟の動物病院で11年勤務。2019年、免疫力・自然治癒力を高めて動物たちを元気にしたいと開業。動物にやさしい診療を行っている。
取材・文/樋口由夏