世帯分離で減らせる介護費用以外のお金
世帯分離をすると、国民健康保険料も安くなることも。
「国民健康保険料の金額は前年の所得で計算されるため、世帯分離によって負担額が減るケースが多いんです。ただし、各世帯主がそれぞれ国民健康保険料を支払うことになるため、合計の負担額が増える場合もあるので、注意してください」
世帯分離で親が納める介護保険料も安くなる場合も。
「例えば、母親と子夫婦が一緒に住んでいる場合。母親の年収が年金だけで80万円以下ならば、母親を1人世帯にするだけで介護保険料の支払額が年間5万7600円から、ほぼ半額の3万円になります」
これだけメリットの多い世帯分離だが、誰でも必ず得をするわけではない。
「世帯分離で大きな得をするのは親の年収が80万円以下の人です。アルバイト収入や年金額が多いなどで、親の収入が高い場合は補助を受けることができないので、世帯分離をしても意味がありません」
メリット、デメリットを親とよく話し合って決めたい。
世帯分離で減らせるかもしれない!
介護費用以外のお金3つ
国民健康保険、後期高齢者医療制度
どちらも前年の所得で計算されるため、世帯分離によって負担額が減る場合がある
介護保険料
子夫婦と世帯分離するだけで、介護保険料の支払額がほぼ半額になることも
住民税
所得が135万円以下の場合、住民税を払わなくていいため、年間17万円ほど抑えられることも多い
教えてくれたのは 太田哲二さん
1948年名古屋市生まれ。中央大学大学院修士課程法学研究科修了。杉並区議会議員。「お金と福祉の勉強会」代表。著書に『「世帯分離」で家計を守る』など。
1948年名古屋市生まれ。中央大学大学院修士課程法学研究科修了。杉並区議会議員。「お金と福祉の勉強会」代表。著書に『「世帯分離」で家計を守る』など。
<取材・文/村瀬航太>