がんに克つ5か条

船戸崇史先生(写真提供/船戸クリニック)
船戸崇史先生(写真提供/船戸クリニック)
【画像】5か条の生活習慣を習慣化させて小さくなったがん(CT腹部)

 がんを予防するには生活習慣を見直すこと。船戸先生がおすすめする5つの生活習慣とは。

その1. 質のいい眠りで免疫力を働かせる

 がん治療にとって治る時間を確保することはもっとも重要だ。睡眠中はさまざまなホルモンが分泌され、起きている間に傷ついた細胞や体内組織を修復し、疲労やメンタルストレスを改善する。

 まずは規則正しい生活で睡眠時間を維持しよう。そのうえで船戸先生が推奨するのが「10―6睡眠」だ。

 しかし、仕事や不安、身体の痛みなどのストレスが良質な睡眠を妨げることが多い。

「仕事量を減らしたり、不安が消えないときは睡眠薬の使用も考え、眠れるようになったら徐々に減らす。痛みも薬で除くことができます」

 スマホ画面のブルーライトの影響で眠れなくなるので、睡眠前は見ない習慣を。

「10-6睡眠」のコツ

 夜10時に寝て、朝6時まで8時間眠ろう。人間は耳や手のひらにも光を感じるセンサーがあるので、部屋は真っ暗にするのが望ましい。眠れないという人は朝の運動時間を30分増やして、身体を疲れさせるとよい。

その2. がんが嫌う食材を積極的にとる

がん細胞も日頃の食事が栄養源になります。だからがんが嫌う食材を積極的にとり、がんが好む食材を減らしていくことが大切です」

 第一に推奨するのが、緑黄色野菜、果物、根菜、海藻類、きのこ類、豆類、発酵食品だ。

「私も納豆にキムチ、めかぶを入れたものを毎日食べています。緑黄色野菜には自然の抗酸化物質『ファイトケミカル』が豊富です。この物質は、湯通しすると抗酸化作用が高まります。がんを予防するなら、煮たり蒸したりする調理法がおすすめです」

 果物にもファイトケミカルが豊富。無農薬のものを、皮ごと食べることが望ましい。

「外来患者さんにご紹介している、ファイトケミカルが豊富なスープと、にんじんとりんごのジュースの作り方をご紹介します。スープは毎朝、私もいただきます」

 反対に、がんが好む食材には、糖質と肉類、乳製品、塩分がある。

がん細胞は特に糖質が好き。お米や小麦などを使った糖質や、精製した砂糖を大量に使用したお菓子、清涼飲料水を過剰に摂取するのは避けたほうがいいでしょう。肉類をどうしても食べたいときは鶏肉を選んで。たまには私も肉を食べますが、以前より魚を食べる頻度が増えました」

 牛乳はなるべく避け、チーズやヨーグルトといった発酵食品は少なめを心がけて。

先生おすすめ!スープ、ジュースの作り方

【にんじん&りんごジュース】

にんじん&りんごジュース(※画像はイメージです)
にんじん&りんごジュース(※画像はイメージです)


無農薬のにんじん3本、りんご1個、レモン1/2個をジューサーにかける。がん予防なら毎日200ml、がん患者なら毎日400~800ml飲む。

【野菜スープ】材料と作り方

野菜スープ(※画像はイメージです)
野菜スープ(※画像はイメージです)

1. 無農薬の15種類以上の野菜と海藻、きのこ、豆類を用意。野菜を葉ごと乱切りにし、そこに海藻、きのこ、豆類、適量の水を入れて30分~1時間煮込む。

2. 最初のうちは、少量のみそ、しょうゆ、キムチ、カレー粉などで味をつけて食べる。慣れてきたら1のままでも。