たるみやバストの垂れなど、50代、60代の身体の悩みは尽きない。低コストでパパッと悩みを解消してくれるアイテムはないだろうかと考えてたどり着くのが「補正下着」「着圧下着」。簡単にボディラインを美しくしてくれる優れモノだが、実は消費者庁から警告を受けているものも少なくない。
消費者庁が警告! 下着のウソ
令和に入ってから景品表示法違反の措置命令が出された下着は4種類。引き締まった身体になれるという「ヴィーナスカーブ」と「ヴィーナスウォーク」。筋肉を増強すると謳う男性用下着の「SIXPACK EXCERSIZEシリーズ」。
そして、脚が細くなると打ち出した「モアキュットシリーズ」だ。どれも人気商品だが、表示の根拠となるデータなどが不十分であることや、表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料が未提出のため、消費者庁は広告に根拠がないとして、措置命令を出した。
具体的には例えば「SIXPACK EXCERSIZE」と「モアキュット」に関して、消費者庁は会見で「専門家に聞いたところ、筋肉増強の効果については、相当程度強い圧力をかけて運動することによって筋肉増強の効果を得るトレーニング方法はあるものの、本商品のように手で伸ばしても相当伸びる程度のものでは、効果は望めない。また、痩身効果については、摂取カロリー量を減らすか、カロリーを消費することが必要で、身体を圧するだけでは脂肪の燃焼には至らないとのこと」と説明した。
ラクして、簡単に効果が得られるといった謳い文句に騙されやすいのは主に50〜60代。着るだけで痩せるという言葉に疑わしさは抱きつつも、急激な身体のたるみに焦って、下着広告に騙されてしまうのだ。落とし穴にハマらないために、警告が出された下着の共通点を知っておきたい。
警告を受けた商品の広告に必ずあるのは、「はくだけでマイナス10cm!?」「着用するだけで」といったような文言。
消費者に誤解を与える広告を禁止する景品表示法では「実際のものよりも著しく優良であると示すもの」は「優良誤認表示」だとして、取り締まっている。「〇〇だけで〇〇」といとも簡単に痩せられたり、筋力アップが得られたりするかのような広告はまさに優良誤認表示だ。
また「強力サポート!!」という表示も要注意。ほかの商品よりも強い効果があるかのようだが、これには根拠がないことが多い。
「痩せられる!?」という表示もある。すべての効果を把握し、正しい情報だけを伝えなくてはいけない販売元が「!?」と曖昧にしているのは問題。商品を選ぶ際には、根拠のない誇張表現がないかをしっかり見極め、落とし穴にハマらない目を持つことが大切だ。
誇張した表示の、買ってはいけない補正下着や着圧下着を見極めるポイントを下着コンシェルジュの山田奈央子さんに聞いた。
1つ目は着圧機能でスッキリとした見た目にすることです。外したら元に戻りますが、洋服をきれいに着こなすことができます。
2つ目は、着用し続けることで正しく筋肉を使えるようにしてスタイルをよくすること。
つまり、これら2つの効果以上のことを謳っているものは要注意。短期間で身体に変化が現れることはありません」