“イヤミ” “ねだり”の電話が会社にまで

「入社して数年目に、神奈川県にある子会社のイベント会社に出向が決まったんです。引っ越しをして気分転換をすると久しぶりに晴れ晴れとした気持ちに。でも母親から突然、会社に電話があって。父親に何かあったのかも、と急いで電話をとると“イベント会社で働いているんだって?

 あんたには華やかな世界なんか合わないわよ。根暗だから”とひどい言葉を浴びせてきて……。仕事中にですよ」

 その後も母親は会社に何度も電話をして詩織さんを罵倒したり、お金をせびってきた。会社から不審の目を向けられたため、事情を説明して電話の取り次ぎをストップしてもらった。

※写真はイメージです
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「3か月後に別の部署に異動になりました。母のせいです。でも異動先の部署で、2歳上の優しい男性に“結婚を前提に付き合って”とプロポーズされました。1年後に結婚しました」

 その結婚から1年後、父親が兄の結婚を教えてくれた。デキ婚だった。兄の新居に詩織さんがお祝いを贈ると、兄嫁からは丁寧な礼状が届いた。それがきっかけで兄嫁と連絡を取り合うようになった。

 兄嫁はウラオモテのある母親の性格を見抜き、兄を溺愛していることを察したうえで母を立てながら、兄をイクメンにさせたという。子煩悩になった兄はまじめに働くイクメンパパに変わったのだ。

「すると母は、兄嫁に兄を奪われたという怒りや不満の矛先を私に向けてきました

 そんな中、定年退職した父親は病弱のため、入退院を繰り返すように。すると母は入院費や生活費を詩織さんにせがむようになる。

「ちょうど同じ時期、夫が退職して念願だったWebクリエイターに転職しました。母に“夫の収入が不安定だから”と送金を断ると、夫を“役立たず”と罵ったんです。私だけでなく夫に対しても悪態をつくなんて……。ひどいですよね。もう母と縁を切ってもいいと思いました」