Youtubeの大反響に「もっと広がってほしい」
Youtubeにアップロードされた2本の告発動画は大きな反響を呼び、現在ではあわせて300万回以上も再生されている。
「最初は驚きましたね。でも、世間に伝わらないと告発した意味がないと思ったので、あのときは“もっと広がってほしい”って思っていました。
ただ、その一方で、実名顔出しだったので、ちょっとした怖さもあったんです。嘘をついてまでこんな話をするわけないのに、“こんなブスがセクハラされるなんて嘘だ”という中傷コメントもたくさん来ました。覚悟はしていましたけど、それでも“こんなに叩かれるならやめようかな”と思ったときもありました。でも、今思えば、あそこでやめていたら、今こうして謝罪をしてもらえていないんですよね」
メディアの取材に対応しながら、それ以外の作業もこなしていた。
「いちばん大変だったのは、周囲の方の証言集めですね。検察審査会に提出する書類の作成も、ほとんど自力で行いました。本来だったら弁護士が書くような書類なのですが、弁護士を雇っていなかったので自分で書きました。専門用語も多くて、それを全部調べて……。人生で5本の指に入るくらい大変でしたね」
活動のなかで、記録することの大切さを知った。
「応援してくださった方にも、同じ思いをしてほしくないので、何かあったときにはしっかりと記録を取っておいてほしいと思いますね。少しでも怪しい人に会ったときは、ボイスレコーダーや日記など、毎日でなくてもいいので残しておく。自衛することが大切だと改めて思います」
悲願だった加害者からの直接謝罪を受けたときは、どのような気持ちだったのか。
「正直、遅いと思いましたが、自分の目的は実現して、謝罪を受けることはできました。ただ、加害者の4名にも言ったことですが、謝罪を受けたから許すという話ではありません。今は許すことができませんが、まずは謝ってもらって、それを受け止めました。ここを区切りにして、前に進もうと思ったんです」