強い? 弱い? カディロフツィの真の実力とは?
2月の侵攻と共にすぐに支援部隊として約1万人投入されたというカディロフツィだが、ウクライナのドンバス地方に侵攻した様子を複数のウクライナ軍の兵士が目撃している。
カディロフツィは市街地に侵入し、走る自動車に銃弾を浴びせ、車内の犠牲者の遺体を放り出して車を盗んで走り去った。その後、民間人を大量虐殺しただけでなく、重傷のロシア兵もその場で撃ち殺したという。
犠牲者の遺体から処刑が行われていた形跡があり、ある女性の証言によると夫の彼女は4日間の拷問を受け、夫は頭部を撃たれて死亡した。カディロフツィは1軒ずつシラミ潰しに住宅に侵入し、住人を殺害していく掃討作戦はカディロフツィのやり方だ。
ペンタゴンのレポータージェフ・ショール氏によると、カディロフツィの実力はプロのロシア兵より劣っているという。
第二次チェチェン戦争で活躍した兵士は引退し、次の世代になっており、実戦の場がなく、任務はカディロフの邸宅の警備だけで、いちじるしく兵力が弱体化したというのだ。ウクライナ側のメディアではほぼ壊滅したという情報もある。
一方、捕虜になったロシア兵のインタビューをYouTubeで公開しているウラジーミル・ゾルキン氏は捕虜の中に全くチェチェン人がいないことから、「カディロフツィは通常のロシア兵より優遇されているのではないか?」という仮説を立てている。
プーチンとカディロフが密約をして、ロシア側とウクライナ側の人質交換をするときに、真っ先にカディロフツィがロシア側に渡されているのではないか?というのだ。
真偽は定かではないが、プーチンのカディロフへの寵愛ぶりをみると、満更かけ離れた話ではないとも思える。