受け取れないこともある!?夫の生命保険の落とし穴
「生命保険は、受取人を指定して確実に渡すことができる金融商品。相続問題が起きづらいという面でも、死後に残すお金としてメリットが大きいと思います。でも“もらえると思っていたのに、もらえなかった!”という声が非常に多いのも現実です」
契約更新や死因によりもらえる額が大幅ダウン
生命保険のプロとしての経験から現実を教えてくれた齋藤さん。アテにしていた生命保険金が受け取れない状況に陥る主な理由は3つ。
1つ目は、保険期間が過ぎていること。終身保険以外は保障期間が決まっているので、何歳までか把握しておくこと。
2つ目は、“更新”により保障額の値下げや消滅が起きていること。
「80歳や85歳で死亡保障が消滅したり、もらえても少額になっていたということは少なくありません」
3つ目は、そもそもすでに保険金をもらっていて保険が消滅していたという驚きの理由。
「死亡保障付き三大疾病保険は注意が必要です。よくある保険商品ですが、この保険の場合、がん・心筋梗塞・脳卒中になって保険金を受け取ると、その時点で保険は消滅。
しかし、加入者側が死亡保険金ももらえると勘違いするトラブルが多いです。疾病で保険金をもらったら、死亡保障は受け取れません」
また、受取人が誰なのかも確認を。
「自分が受取人だと思っていたら夫の親や子どもだったというケースは意外と多いです。ただ、夫の保険金の受取人が自分である場合は、高齢になり病気や認知症を罹患することも考えて、成人した子どもなどへの変更を検討しておくとよいです。夫婦で元気なうちに保険内容を確認しておくことが安心につながります」
夫の保険がわからない!「生命保険契約照会制度」の活用を
令和3年7月から、故人が加入している生命保険契約の有無を一括で紹介できる「生命保険契約紹介制度」がスタート。親族等が申請すれば「生命保険協会」を通じて、生命保険会社42社に一括照会できる。
「夫がどこの生命保険に加入しているかが簡単にわかります。生命保険を契約しているかどうかすらわからないという場合でも、1回3000円で照会できます」