昔からイキりたがる傾向はあった

 おとなしい性格だったが、中学時代にワルに憧れる雰囲気に。突然、「俺いまから闘いに行くで」と他校に乗り込み、ケンカに負けて帰ってきたこともあった。

「不良グループの仲間には入れてもらえなかったし、そもそもケンカは弱い。周囲は“やられるだけやからやめとき”と止めたのに聞かなかった」(中学の同級生)

 同情すべき生育環境も、いつまでも言い訳にはできない。いい大人になって自立生活を営み始めてからも問題行動は続いた。

 実家周辺によると、母親に金を無心しに来て「カネ、カネ、カネ、カネ……」と玄関ドアを開けるまで蹴り続けたり、些細なきっかけで暴虐ぶりをみせたことも。

「数年前、駅のホームでおじさんと肩がぶつかり、顔がわからなくなるまでボコボコにする事件を起こしています。ちょうど奥さんが妊娠中で、父親になる直前に何をやっているんだか。一度キレたら手がつけられなくなるみたいです」(前出の知人女性)

 別の同級生は、「昔からイキりたがる傾向はあったが、成人してからもその雰囲気は変わらなかった」と振り返り、事件に驚く。

 変わらないどころかむしろひどくなっている。暴力を向ける先は、中年男性や女性と体力差で上回りそうな相手ばかり。やり返されそうな相手は避けるようになったのか。

 警察は余罪についても調べるという。