ドライブやポイ活で生じるモヤモヤも
飲食の会計だけでなく、旅行などの際にも“ワリカン負け”は発生しているようだ。
【ドライブのワリカンアンケート】
〜友人4人でドライブ。運転手は自分の車を出し、ガソリン代、高速代を立て替えた場合の、適当なワリカンの方法を聞いた〜
1位 運転手は少なめに、残り3人が多めに払う 249人
2位 運転手は0円、全額を3人で割って払う 168人
3位 全額を運転手も含む4人で割って払う 97人
(全国の20代〜50代の女性600人を対象に、2022年10月31日、Freeasyにて行ったアンケート。複数回答方式)
「友人とドライブをした際、私の車で運転もしたのに、ガソリン代や高速代はきっちりワリカン。運転の労力を気遣って少しは安くしてほしかった」(埼玉県・22歳・学生)
「ママ友との旅行で、現地での細かな支払いは私が立て替えて出し、最後に精算することにしていた。ところが、計算が面倒だから端数は切り捨てにしてとゴネられ、立て替えた私が損をすることに……」(広島県・36歳・専業主婦)
ほかにも、支払い方法で苦労したり、ポイントをどうするかなど、比較的新しいワリカン問題も浮上してきた。
「いつも幹事を率先してやってくれる友人が、実は会計のときに自分だけ安くなるように多めに徴収していたことがわかったときはガメついなと」(大阪府・50歳・専業主婦)
「みんな自分が使っている電子マネーで支払ってポイントを貯めたいと思っていて、個別会計ができない店では誰がまとめて払うかピリピリする」(千葉県・41歳・会社員)
「ドライブの例では、運転手の労力を応益負担としてどう捉えるかどうかがポイントですね。運転をしない同乗者はその分の利益を享受していると考えれば、ドライバーは肉体的な負担の分を金銭的に勘案して、少し安めにしてあげようという考え方が、経済学的にみて合理的な応益負担かなと思います」(依田さん)
さまざまな場面で浮上するワリカン問題。みんなが納得できる解決策とは。
「やはり合理的なのは応益負担の考えに基づいたワリカンですが、会計の段階で誰がどれだけ食べたかを厳密に割り出すのは難しいですよね。
支払いの際にバタバタと事後的に相談するのではなく、事前におおよその応益や応能を話し合っておいて、例えば最初の段階で男性2:女性1の割合で支払うなどとルールを決めておくことが、経済学的な合理性を反映しつつ“事前の公平性”を満たせる方法かなと思います」(依田さん)
スマートで遺恨の残らないワリカンの極意は“事前交渉”にあり、ということだ。
(取材・文/吉信武)