今年のワイルドカードは「実力」と「笑いの量」?

 そんな準々決勝敗退者を対象とするシステムが、2015年から導入された「ワイルドカード」。配信中の準々決勝のネタのなかから、視聴者数で1位を獲得することができれば準決勝に滑りこめるというものだ。配信がスタートしてから各芸人のファンたちが連日、視聴を呼びかけている。

 ランジャタイは、結成年数制限で今年のM-1がラストとなるが、国崎和也の新型コロナウイルス感染のため、ワイルドカードを無念にも辞退することになった。

 ただ、同枠をめぐっては以前から「知名度や人気のある芸人が有利ではないか」と疑問の声があがっており、今回も「人気投票じゃなく実力と笑いの量で1組が選ばれてほしい」「どれだけファンが多いかの問題になってしまわないだろうか」といった投稿が多い。

 過去のワイルドカード進出者は、ニッポンの社長、馬鹿よ貴方は、アキナ、魔神無骨(現「令和ロマン」)、金属バット、ラランド、滝音。顔ぶれをみると単純な人気投票という結果にはなっていない。

 それでも年々『M-1』熱が高くなっている現状に加え、今回は見取り図、金属バットといったラストイヤー組も“充実”していることから、ワイルドカードに賭けるファンの本気度も違うのではないだろうか。

 そう述べている矢先の28日、ワイルドカード枠は金属バットに決定。早口でまくしたてる王道漫才とは違う、ゆるやかな話調から、ブラックな題材のネタを繰り出す彼らは決勝でも要注目だ。