いつものあの食材にも中毒リスクが!
結局のところ、すべての食べ物は摂取しすぎればなんらかの毒性があると話すのは、船山先生だ。
「“毒”が含まれるものでも、ほんの少しなら殺菌や身体の機能活性化の薬になることもあります。しかし、致死量があることを念頭において、口に入れる量を加減する必要があるのです」
代表的なのはコーヒー。中毒で死亡事例もあるカフェインが多く含まれていることは誰もがよく知ることだろう。少量なら体内で代謝されるので問題はなく、眠気覚ましにもなるが、依存して飲みすぎるのは命の危険にもつながる。
圓尾先生は、果物などの虫食いやカビを防ぐ農薬でも中毒を起こす事例があると話す。
「日本の農園では『ネオニコチノイド系農薬』という殺虫剤がよく使われているのですが、これは子どもの発達障害などのリスクが考えられています」
中でもイチゴやブドウなど、虫の被害を受けやすいデリケートな果物は散布される回数も多い傾向にあるので要注意だそうだ。
圓尾先生は他にも、輸入フルーツの残留農薬を懸念する。
「アメリカなどでは、ポストハーベストという、収穫をしたあとに表面にまく農薬が食品添加物として認可されています。OPP、TBZ、イマザリルなどと呼ばれるこれらの成分は、ホルモン機能を乱し、がんや奇形の原因にもなりうるという報告もあります」
石原先生は、人工甘味料の危険な依存性を語る。
「自然の糖ではないのに、舌に強い甘さを感じさせ、クセになるのがアスパルテームなどの人工甘味料。なかでもアルコール度数の強い缶チューハイなどは、するすると飲めて歯止めがきかなくなることも。その健康リスクも含め、ほとんど薬物といっていいです」
人工甘味料は、近年の研究で腸や肝臓の機能に悪影響を与えたり、がんのリスクを高めるといった報告もあるが、その危険性の全貌は未知数。摂取しすぎないよう、注意は不可欠だ。