「年末の大掃除」は要らない
「収納は少なければ少ないほど、ため込まない習慣を後押ししてくれます。つまり、適量で暮らす“コンパクトな生活”を実現できるようになるわけです。ただし、『よどみ』には気をつけなければなりません。
家の中は、まるで川の流れのようなもの。はじめは『小さなよどみ』でも、そこに小枝が引っかかり、ゴミが次々と引っかかるうちに、『大きなよどみ』になって、なかなか手がつけられなくなっていくのです」
では、どうしたら家の中に「よどみ」を作らないようにできるのだろうか。
「クローゼットや下駄箱など、ふだんは閉じていて奥を覗き込まないと見えない所は、よどみやすい。よどみに気づいたら、まずは写真を撮ってみましょう。
そして、片づいたら、また写真を撮ります。よどみのビフォー&アフターを写真で比較できるようにすると、片づけた達成感と同時に、よどみを客観視できるようになります。
そうすれば、よどみに(1)気づき(2)ほぐして整え(3)スムーズに巡らせるという、「よどみ」をなくす3ステップを身につけやすくなるはずです」
まずはすばやく気づけるようになることが大事だが、それ以外にも大事なことがあると井田さんは言う。
「よどみは連鎖します。モノが片づかずに生まれた『空間的なよどみ』は、日々の動作に手間とムダを呼ぶ『時間的なよどみ』につながり、モノや時間が整わないことで、お金や将来まで心配になるという『心理的なよどみ』にまで連鎖するのです」
片づけられない、時間がないと悩みを打ち明けられる方の多くは、まじめで自己肯定感が低く、お金がいくらあっても不安になるという人が多い。モノは目に見えるぶん、最もわかりやすいため、そこから始めるのがおすすめ。