華やかな芸能界に身を置きつつも「お金を使わない生活が好き」と語る庶民感覚たっぷりのタレントたち。背景にあるのは“過去の貧乏暮らし”。もったいないマインドを大いに学びたい。
佐々木健介とプロレスラー同士で結婚した北斗晶。現役を引退して専業主婦になるつもりが、夫が所属団体を失うトラブルで収入難に。そのころは、ミルクを薄めて子どもに飲ませるほどの極貧生活を送っていた。
全財産6千円……苦境を持ち味に変えた“節約レシピたち”
「家中のお金を集めても6千円しかない日もあった」と語る北斗は、子どもたちのお腹を満たすため、数々の節約料理を考案。今では番組や自身のレシピ本で、そのアイデアを紹介している。
「肉巻き餅スティック」は、細長く切った切り餅を豚バラ肉で巻き、片栗粉をまぶしてフライパンで焼いたもの。仕上げに焼き肉のたれでこってりと味つけすれば、腹持ちのいいおかずに早変わりだ。
子どもも喜ぶ「サイコロステーキ」は、普通に4人分を作ると、材料費はブロック肉だけで3千円ほどかかる。しかし、北斗流ならなんと予算1200円と半分以下!
材料は高野豆腐を薄切り肉でくるんでサイコロ形にしただけのものだそう。材料費も節約できてヘルシー。しかも、高野豆腐とは思えないほどおいしいのだ。
もっとも苦しかった時期には、生ごみがほぼないこともあった。冷蔵庫の残り物一掃レシピはお手のもの。よく作っていたのは、野菜の破片やソーセージ、チーズなどを使ったかき揚げだ。ホットケーキミックスの衣をつけるとふっくらと揚がり、甘みもあるので子どものおやつにもなっていた。
買い物に行くスーパーは安いプライベートブランドが充実しているイオンやイトーヨーカドー、コープ、大容量がうれしい業務用スーパーが多いとか。また、実家が米農家なので米代はタダ。小松菜などの野菜もよくもらっている。
現在でも、YouTubeチャンネルで料理動画をアップしている北斗。その発想力はまさに、どん底から這い上がった経験の賜物だ。
'22年は長男が結婚。今後は老後を見据え、要介護になっても子どもたちに頼らずに暮らすため、お金を貯めたいと語っている。これからも北斗流の「もったいない!」生活はまだまだ続きそうだ。
取材・文/オフィス三銃士