目次
Page 1
ー “萬屋錦之介なのに小次郎?”と言われています(笑)
Page 2
ー 横浜流星との殺陣「やってきたことの違いを」
Page 3
ー 迎える30代、描く役者像&結婚

「オファーをいただき、まずびっくりしました」

 宮本武蔵に横浜流星、 佐々木小次郎に中村隼人(29)。演出に堤幸彦。“新解釈”で展開される舞台『巌流島』の幕がいよいよ上がる。

“萬屋錦之介なのに小次郎?”と言われています(笑)

「僕の大叔父である萬屋錦之介は'60年代、宮本武蔵の役を映画5部作で演じていますから。そのときの佐々木小次郎は高倉健さん。

 歌舞伎界の中には“宮本武蔵は萬屋錦之介”というイメージを持った方々が多いです。だから“萬屋といったら武蔵なのに、小次郎をやるんだ?”なんて冗談を言われたり(笑)。

 これはすごく大変だぞと思いましたが、どうして自分にこの役が来たのかを考え、オファーをお受けしました」

見得を思わせる鋭い眼差しの中村隼人(撮影/渡邉智裕)
見得を思わせる鋭い眼差しの中村隼人(撮影/渡邉智裕)

 と中村隼人。本作は3年前、初日直前に新型コロナウイルスの影響で中止を余儀なくされている。

「できあがっている座組に入るということは、僕も何度か経験したことがありますが、独特の空気感があるんですよね。

 この『巌流島』のカンパニーに関しては最初から関わっている人の熱量や無念さは想像を絶しますし、そこに自分が入ることに怖さはありますが、僕がやるからには新しい風を吹き込めるようにと考えています