土下座謝罪もメディア報道を拒否

 その翌日、JALの現場にいた職員とその上司が投稿主の家に来て土下座をして謝ってきたという。投稿主は、「賠償金は要らないから何らかのメディアでこの事を公表して注意喚起にして下さい」とお願いしたが、後日「それは出来ない」と拒否され、道義的責任からか「10万円位で手を打って」と依頼されたそうだ。

 くだんの件に腹を立てた飼い主は現在JALを相手取って訴訟を起こしているそうで、SNS上では「飼い主の皆様も何時同じ思いをするか分かりませんので、他者に預ける時は常時、証拠を残せる様にしてください」と注意喚起をしている。

 ここまでが飼い主側の投稿を元に経緯を整理した内容だが、あくまで飼い主側の主張で、事実は不明だ。

 JALホームページでは、「ペットとおでかけサービス」について、ペットの健康状態や輸送環境についての注意事項とともに、ペットの死亡事例についての項目もあり、

《昨夏(2021年)にお客さまからお預かりしたペットが運送中に亡くなるという事案が発生いたしました。私どもはこれらの事案を厳粛に受け止め、ペットをより安全な環境で輸送し、安心してお預けいただけますよう、真摯に取り組みを進めてまいる所存でございます》

 と記載されている。過去5年の死亡事例は、猫、小鳥など9件で、直近の「2021年8月・」が上記文言でも触れられているが、これはポポのことだろうか。

 一方で、JALで飛行機にペットを預ける際、飼い主である投稿主も免責事項につき確認していた可能性があると話すのは動物病院関係者だ。

「JALの『動物申告書』には、航空輸送の特殊な環境下で動物が変調をきたし、死亡するなど不測の事態が生じる場合があるとの記載があります。また、死傷等についての免責事項として、

・ 自然的原因(航空機内の気圧や温度等の変化を含む) ・ 動物自身もしくは他の動物の性状、または梱包の欠損等 ・ 排泄物、吐物による生体の汚染、またはウィルス、微生物による感染

 が挙げられています。今回の機材故障による機体変更と、それに伴う遅延があった場合でも免責事項に当たるかは、係争中なので現状断定はできませんね」

 この件について事実確認のため、JALに問い合わせたところ、

「2021年8月11日のJAL661便においてペットが死亡したというのは事実ですが、訴訟係属中のため詳細は控えさせて頂きます。お客さまの大切なご家族を安全にお運びするため、獣医師などのアドバイスをいただき輸送環境には配慮しておりましたが、このような事態となりましたことを大変重く受け止めております。発生直後から当件の検証を行い、さまざまな対策を講じております。」【※1月27日、この部分に関して日本航空株式会社(JAL)から、訂正したいとの連絡あったため、一部内容を変更しています】

 との回答を得た。

 いずれにしても動物は繊細な生き物だ。ペットを預ける際は、細心の注意を払う必要があるだろう。