もちろん逮捕者はごく一部であって、真面目に動画配信をしているユーチューバーがほとんどである。が、逮捕者や迷惑行為が続くことで「ユーチューバーは社会不適合者」というイメージが世間に定着していくことも考えられる。
「汗水垂らして地道にコツコツ働くよりも、一見して、いわば“好きなことをして稼げる”“ラクして稼げる”ように映るのが彼らの仕事であって、ヒカルが“一回成功して甘い汁吸っちゃったら戻れない”と実態を明かしていたことも頷けます。
たとえ迷惑系だろうと炎上しようとも、再生回数さえ伸びれば収益を得られるわけですから、それは一般的な感覚とかけ離れていくのも無理はない。また熱心なファンからは“いいね”されて、それでいて莫大な収益を手にしてしまえば、社会経験が少ないほどに“自分は特別な存在”と勘違いしてしまうのかもしれません」
ラファエルら減収を訴え始めた面々
しかし、そんなYouTube稼業にも陰りが見え始めている。
2022年12月にチャンネル登録者数180万人の人気ユーチューバー・ラファエルが「広告収益は10分の1に落ちてます」と明かせば、同じく200万人超えのぷろたんも2023年1月の年始早々に「収益が5分の1になった」と減収を報告。
さらに122万人のシバターも、2021年と2022年を比較して再生回数と収入が共に約4割減少したと明かすと、各々が「YouTubeはすでにオワコン化」とする主張を繰り返すなど、YouTubeでの広告収入が減少していることを相次いで訴え出したのだ。
ベネッセ『進研ゼミ小学講座』が発表(2022年12月)した「小学生がなりたい職業」によると、2020年から3年連続で1位になっている「ユーチューバー」。小学生たちが今も夢見る「なりたい職業」は本当にオワコンと化しているのだろうか。
「YouTube自体がオワコンなのではなく、“オワコンユーチューバー”が増えているのだと思います」とは、IT業界に通ずる広告代理店営業スタッフ。
2月2日に米グーグルの持株会社が発表した決算報告によると、2022年第4・四半期決算でのYouTube全体の広告収入は前年比8%の減収としている。日本でも特に若い世代に支持されている『TikTok』をはじめとした、他の動画配信ツールとの競合も一因と見られているのだがーー。