目次
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ー 「日本の水は安い」安全神話は崩壊
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ー 使う水量の多い場所から節約すべし
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ー 秋山さんも実践!水道代下げるテク

 

「電気代・ガス代の値上げがキツいなと思っていたら、水道代もいつもより請求額が高くて……いつの間にか使いすぎてたの?自分では身に覚えがさっぱりないです」

「日本の水は安い」安全神話は崩壊

 そう話すのは、埼玉県在住の主婦、Aさん。一方で、地方で暮らすBさんも悲鳴を上げる。

「使用量は去年と大して変わってないはずなのに、水道代が約2倍の金額に……。何もかも値上げされたらたまったものではありません」

 コロナ禍でステイホームの時間が増えた分、自炊や洗濯、トイレなど、水道の使用回数もいつもより多くなる家も増えた。しかし、それにしてもかかりすぎではと、首をかしげている人も多いのでは?

「それもそのはず。電気・ガスばかりに気を取られがちな昨今ですが、水道代も、2年ほど前からじわじわと値上がりが続いています。特に、地方の市町村はマズイですね」

 そう話すのはFPの秋山芳生さん。

値上がりの理由は、少子高齢化で人口が減り、自治体の水道局の収入が減っているから。さらに老朽化した水道設備を改修するためのコスト不足も深刻。

 そのため、住んでいる地区ごとにそれらの財源を補う必要に迫られ、料金が値上げされてしまうのです」(秋山さん、以下同)

※画像はイメージです
※画像はイメージです

 一般的に、水道事業はそれぞれの市区町村で行われているため、請求額も地域によって差が出る。

 東京都内では、東京都水道局がほとんどのエリアを管轄していて、すべての世帯数で料金が均等に分けられるしくみ。現状では値上がりの心配はないとされている。

 ただ、東京都水道局の給水区域に含まれていない武蔵野市、昭島市、羽村市などの「未統合市」エリアなどでは人口減少が続いた場合、今後、水道代値上げの可能性は十分にある。

「ならば都心部は関係ナシかというと、そうとも言いきれない。実はここ3年、コロナの影響で都心部の人口が地方へ流出しているんです。東京都内の水道代も、いつまでも安心とはいえません」

 EY新日本有限責任監査法人・水の安全保障戦略機構事務局のリサーチによると、20年後の2043年までに、水道料金の値上げ率は全国平均で43%にも達する見込みだという。

 金額でいえば、請求額が1.4倍に増える計算だ。水道代の未来が今後どうなるかはわからない以上、常に目を光らせておいて損はない。