(1)腸活を意識し、特に酪酸菌を増やす!
食事をするときは“腸内環境を整えること”を考えて。中でも腸内細菌が作る酪酸を増やすために、野菜や果物をたくさん食べよう。
(2)“カラフル”を意識して食材をチョイス
腸内にすむ腸内細菌は、1種類ではなく、複数種が混在している。それぞれの菌にエサを与えるには、いろいろな食品を食べることが大事。トマトやニンジンの赤、ショウガやパプリカの黄色、ナスの紫など、“いろんな色の食材を食べる”ことを意識して。
(3)カット野菜やカットフルーツはNG
市販のカットサラダやカットフルーツは、表面を殺菌したり、発色剤を使用している場合も。それによって、本来含むビタミン類も減少している。これは、コンビニのサラダも同じこと。丸ごとの野菜や果物を買っていただこう。
(4)ハム、ベーコンなどの加工肉は避ける!
国立がん研究センターの研究でも、加工肉の摂取量が多くなるほど、大腸がんのリスクが高くなる傾向が認められている。加工肉に含まれる添加物はほかにも糖尿病や心臓・血管の病気の原因にもなり、がんなどのリスクに直結。日常的に食べるのは避けて。
(5)タンパク質を十分にとる
タンパク質不足は、筋肉量の減少や免疫機能の低下につながる。がん退治には筋肉が必要なこともあるので、十分な量を食べてほしい。1日80~90gの摂取を。
(6)人工甘味料をとるなら砂糖のほうがまし
シュガーレスや糖質オフといった食品・飲料水に含まれる人工甘味料は、ヘルシーなイメージだが、実は体重増加や、腸内細菌を乱し、がん発生リスクを上げてしまう可能性が大。甘味を楽しみたいなら、普通の砂糖がベター。
(7)夕食から朝食は13時間あける
免疫力を高め、慢性炎症を抑えるために、できるだけ長く絶食時間を保ちたい。夕食から朝食までは、最低でも13時間は確保しよう。肥満や糖尿病の予防にも効果的だ。
(8)毎日同じ時間に食事をする
食事時間が毎日ほぼ同じグループに比べ1時間ほど変動するグループでは、がんの死亡リスクが2.2倍だったという研究結果が。同じ時間に食べるようにして、規則正しい生活を心がけて。
(9)食事は“ベジタブルファースト”で
空腹時に糖質を一気にとると血糖値が上昇して、慢性炎症を起こしやすくなる。食事の際は、最初に野菜を食べるようにして。食物繊維が糖の吸収を抑えて、血糖値の急上昇を防いでくれる。
(10)ストレスはこまめに解消
ストレスを感じたら心地よいと思える時間を多く持つようにして。誰かとおしゃべりしたり、映画を見たり、旅行に行ったり。心が落ち着くヨガや瞑想もおすすめ。
(11)笑顔を心がけ、笑うことを意識して
笑うことで心理的ストレスが減少し、免疫力もアップする。楽しく歌ったり、お笑い番組などハッピーな気持ちになるものをたくさん取り入れて。笑顔の表情をつくるだけでも効果あり。
(12)睡眠時間は十分にとる
理想は7~8時間。夜更かしや睡眠不足が続くと、免疫の働きが低下し、体内時計が崩れればがんを抑える作用があるメラトニンというホルモンの分泌も低下してしまう。
(13)緑のシャワーを浴びよう
ある研究によると、森林浴をすると森林から放出されるフィトンチッドという物質のリラックス効果で、NK細胞の活性が高まるとされている。天気の良い日は自然の中に出かけて、森林浴を。
佐藤典宏先生●産業医科大学第1外科講師、外来医長。膵臓がんを中心に1000例以上の外科手術を行い、日本消化器外科学会専門医・指導医、がん治療認定医の資格を取得。『がんに負けないたった3つの筋トレ』(マキノ出版)など著書多数。
石黒成治先生●消化器外科医。予防医療を行うヘルスコーチとして腸内環境の改善法、薬に頼らない健康法などの情報を発信している。『医師がすすめる太らず病気にならない毎日ルーティン』(KADOKAWA)など著書多数。
(取材・文/樫野早苗)