トリッキーな時短テクを発明
最初にバズったのは、お弁当のレシピ。
「スープジャーに朝、卵を割り入れると、ランチタイムには温泉卵になります。この簡単で画期的な作り方と、BGMに設定した曲と動画のマッチングがウケたのか、再生数がどんどん伸びていきました」
以降、動画作成では曲選びを重視。
「最初のころは、ひとつのレシピに対して、100曲くらいの音楽を聴き、うまくハマるものを厳選していました。曲が決まらなければ、投稿はしませんでした」
同時に、下ごしらえや洗い物など料理につきものの面倒な作業をいかに省略するかにも力を注いだ。
「その結果、大バズリしたのがシューマイ。ボウルで肉ダネをこねたり皮に包んだりと、シューマイは手間がかかるメニューの代表格。その面倒な工程を省く方法をとことん考え抜きました」
スーパーで買ったひき肉はトレーをバット代わりに肉ダネを作り、それをフライパンに移すという作り方にたどり着く。
「肉ダネの上から皮でおおって加熱して、その後にキッチンばさみでカットすれば、おなじみのシューマイになります。爆速で完成しますが、わが家の子どもたちはこれが大好き。作ると大喜びします」
目から鱗の時短ワザがつまったレシピは注目を集めるようになり、フォロワー数はうなぎ上りに。
「最初はTikTokのほうが人気で、アカウント開設1か月で、フォロワー数が1万人を超えました。インスタグラムが注目され始めたのは2022年3月ごろ。ビビンバと肉巻きおにぎりのレシピ動画がバズり、フォロワーさんが一気に増えたんです」
どちらも調理器具をあまり使わないのが特徴だ。
「ビビンバは通常なら、肉は炒める、野菜はゆでる、という感じで別々に作業します。しかし、私のレシピではフライパンひとつですべての工程を行うため、洗い物が少なくてすむのが利点。このレシピ動画は900万回再生されました」
さらに、肉巻きおにぎりのレシピ動画は2500万回再生と大バズリ。
「通常の作り方ではご飯を握ってから肉を巻くのですが、私はラップの上に肉を並べ、その上にご飯をのせて、ラップごと丸める海苔巻き方式のレシピを考案しました。キッチンも手も汚さず作れて、トリッキーな点がウケたのではないかと思います」
他にも、捨ててしまうブロッコリーの軸を活用したザーサイ風の副菜など、節約と時短を兼ね備えたレシピも好評だ。
それにしても、なぜここまでバズったのか。
「明確にはわかりません。ただ私にとって、バズるのは好きなものを継続した先にもたらされるボーナスみたいなもの。やはり楽しみながら続けるのが一番ではないでしょうか」
動画投稿の励みになるのは、フォロワーからのコメントだという。
《パワフルママが作る家族へのラヴあふれるごはん♪》《笑えておいしくて、家族みんなで楽しめるレシピ!》
およねさんが家族のために楽しんで発信していることはしっかり伝わっているようだ。
<取材・文/中西美紀>