「会うまでに写メのやりとりをしていて、どの写真もギャル風味で微妙に顔の一部を隠していたから、さばを読んでいるんだろうなというのは想像していました。電話で話した時の声はガサガサで明らかに30代ではありませんでしたから。自分は年齢にこだわりはなかったので別にいいやと思っていました。

 それでも実際に現れた“あーちゃん”は正直汚かった。目は二重にするために変なアイプチをしている上に、つけまつげでゴテゴテで」

 小林被告は交際相手や知り合った相手に“あーちゃん”と呼ばれることを好み、実子でさえも久美子という本名は知らなかった。

「でも優しくてマメで、その日のうちに肉体関係を持ったんですけど、それも上手だった。それで心を許してしまったというか、持っていかれましたね」(坂野さん、以下同)

 肉体関係を持った坂野さんは、小林被告の住むアパートで同棲することに。

「行ってみたら小学生の男の子となんだか心に闇を抱えているような若い男女がいて、その2人はやせ細っていて暗い感じがしました。あーちゃんに聞くと、小学生は息子の蒼斗だと紹介してくれました。すごくかわいがっていて僕よりも蒼斗を優先する感じでした。2人の男女は知り合いの子どもを預かっていると紹介されましたが、実はあーちゃんの子どもだったと、後に知りました。だけど、3人とも実子なのに蒼斗以外の2人へはまったく愛情を感じなかった

気絶するまで殴り合いをさせた

 坂野さんが見たという2人の男女とは、小林被告の次女・らら(仮名・28、以下同)と次男・コウタ(仮名・29、以下同)だった。2人もまた虐待を受けていた。坂野さんの告白は続く。

「あーちゃんと蒼斗には寝る場所があるのに、ららとコウタには寝る場所もなく、玄関の横の場所にずっと座らされていた。あーちゃんの号令で2人で殴り合いをさせ、どちらかが気絶するまで終わらない地獄のような遊びもありました。申し訳ない話なんですけど自分も何度かコウタのことを殴ったことがありました。あーちゃんから“金を盗まれた”とか“コウタがあんたの悪口言うとったで”とか聞かされて、自分も気が短いんでカッとなって。でも彼らは反撃してこないんですよ。衰弱しているから。あーちゃんは蒼斗と自分だけにご飯を食べさせて2人には与えないんです」