心理士が語る「イクメンアピール」する男性の心理状態
ryuchellや才賀はこれまで子育てに積極的であることをアピールし、良いパパを演じてきた“偽イクメン”といっても過言ではない。こういった性格でありながらイクメンアピールをする男性の心理状態はどうなっているのか。
育児に詳しい『ハーフオープン相談室』の心理士・ゆう氏が「イクメンアピールをする男性」について以下のように解説する。
――なぜ、彼らは自分の子育てをアピールするのか?
「彼らの言動を分析し共通点を探っていくと、1つ目に『承認欲求や自己顕示欲求を満たしたい』、2つ目に『他者よりも優位な立場に立ちたい』という2つの心理が見えてきます」
――『承認欲求や自己顕示欲求を満たしたい』とは?
「彼らの内面には、自分がいかにきちんと子育てに関与しているか、自分がどれだけ妻をサポートしているかということを周囲に知らせることで、多くの人から自分の育児を認めてほしい、自分の頑張りをアピールしたいなどといった気持ちがあります。
ただ、赤ちゃんにミルクをあげる程度では、妻から褒められたり認められたりしてもらえませんし、アピールもできないので、承認欲求や自己顕示欲求を満たすことができません。そのため、友人や職場の同僚、またはSNSなどで、自分の育児の参加をアピールすることで、周囲からの肯定的な反応を期待するのです」
――『他者よりも優位な立場に立ちたい』とは?
「少しでも育児に参加していれば、イクメンアピールができてしまうので、育児にほとんど参加していない男性よりも簡単に優位な立場に立つことができます。
つまり、イクメンアピールをすることで、簡単にマウントを取ることができ、他者よりも優位な立場に立つことができます。
こうした男性の深層心理には、仕事や生活で身近な人と比べてうまくいかないといった劣等感を抱えている可能性があります。夫婦関係がうまくいっておらず、家庭内で気持ちが満たされていないような場合には、家庭の外で積極的にイクメンアピールをして優越感を得ることで、内面の劣等感を払拭しようとします」
――彼らとはどう接すれば良いか?
「もしも、皆さんの周りにイクメンアピールをする男性がいて、その人に嫌悪感を抱いたら、まずは“なぜイクメンアピールをしているのか、家庭内で気持ちが満たされていない可能性があるのではないか”などと捉えてみましょう。
すると、彼らに対する見方を変えることができ、穏やかな気持ちで対応することができるようになるかもしれません」
もちろんただのアピールではなく真摯に育児をしている男性も多くいるだろうが、やたらイクメンアピールをしておきながら、家庭がうまくいっていない男性にはそういった背景があるのかもしれない。