韓国版“孤独のグルメ”

韓国で人気の袋麺『チャパゲティ』と『ノグリ』を混ぜ合わせた「チャパグリ」。アカデミー賞作品賞など受賞映画に登場したことで日本での認知度が一気に高まり、『チャパゲティ』が流行するきっかけにも
韓国で人気の袋麺『チャパゲティ』と『ノグリ』を混ぜ合わせた「チャパグリ」。アカデミー賞作品賞など受賞映画に登場したことで日本での認知度が一気に高まり、『チャパゲティ』が流行するきっかけにも
【写真】韓国版“孤独のグルメ”が味わえる人気の袋麺『チャパゲティ』と『ノグリ』を混ぜ合わせた「チャパグリ」

 ラーメン・餃子・チャーハンというのが日本の町中華の三大柱だが、韓国の町中華のメインは海鮮風味がきいた赤いチャンポン、酢豚、そして韓国風のジャージャン麺の3つ。甘い黒色ソースで味つけされたジャージャン麺は、韓国人にとっていちばん身近な黒い料理であり、孤独をこじらせ“闇落ち”した若者の心に寄り添ってくれる韓国版“孤独のグルメ”となっている。

「日本では韓国風のジャージャン麺を食べられるお店はあまり多くありませんが、日本に住む韓国人や韓流ファンの方々の間でも“4月14日はブラックデーだよ”と友人同士でジャージャン麺を食べに誘い合うきっかけになっているようです」

 韓国風のジャージャン麺を食べたいと思ったときに自宅で手軽に味わえるのが、同社が販売する『チャパゲティ』だ。食品POSデータを分析するKSP社の調べでは、2022年春夏の即席麺カテゴリーで売り上げ伸長率トップの341%を誇るなど、人気は右肩上がり。韓国文化に興味があるZ世代からの支持やコロナ禍の内食需要の後押しもあり、発売から39年を経た今、大きなブームを迎えている。

「近年はSNSでもよく取り上げられ、日本でも人気が高まっています。日本の一般的なジャージャン麺と異なり、黒い甘みそソースで仕上げる辛くない麺料理で、スライスチーズと目玉焼きをトッピングした“チャゲチ”と呼ばれる食べ方も人気ですね」

 日本で『チャパゲティ』の人気が高まった背景には、2019年に公開された大ヒット映画『パラサイト 半地下の家族』の影響もあるという。

韓国で人気の『ノグリ』という太麺の海鮮うどん風のインスタント麺を『チャパゲティ』と合わせて作る“チャパグリ”を見て、実際に食べてみたいという声が広がりました。もともとはバラエティー番組『パパ、どこ行くの?』の中で、2013年にフリーアナウンサーのキム・ソンジュさんが紹介した食べ方。

 キャンプ場でのお手軽な朝ごはんメニューとして登場し、子どもがおいしそうに食べる姿が印象的で、韓国内で人気の食べ方として定着しました。さらに、映画『パラサイト 半地下の家族』にも登場したことで、日本でもよく知られるようになりましたね」