2016年以降のMLBの平均試合時間の推移(延長試合含む) 2016年 3時間5分 2017年 3時間9分 申告敬遠導入 2018年 3時間5分 2019年 3時間10分 2020年 3時間6分 ワンポイントリリーフ禁止、タイブレーク導入 2021年 3時間14分 2022年 3時間7分
投手が優勢なシーズンは多少試合時間が短くなるが、さまざまな施策を実施したものの試合時間は3時間10分前後で推移し、捗々しい「時短」はできなかった。
しかし今年「ピッチクロック」を導入して、試合時間は劇的に短くなった。4月6日時点で
2023年 2時間38分
30分もの劇的な「時短」が実現したのだ。
ピッチクロックとは
ピッチクロックのルールはこうだ。投手はボールを受け取ってから、走者がいない場合は15秒、走者がいる場合は20秒以内に投球動作に入らなければならない。オーバーするとボールが宣告される。打者は、制限時間の8秒前までに打席に入らなければならない。これに違反した場合、1ストライクが宣告される。
MLBに先立って大学野球やマイナーリーグで導入され、時短効果があることが実証されていた。
導入後のMLB中継を見ると、驚くほど試合展開が早いと感じられる。15秒以内に投げることができず、ボールを宣される投手が続出し、選手からは戸惑いの声も上がっている。大谷翔平が投手、打者両方でピッチクロック違反をとられたことが話題にもなった。
WBC決勝戦、日本の投手大谷翔平、アメリカの打者マイク・トラウトの最後の投球のインターバルは33秒だったと言われ、ピッチクロックが導入されると「名勝負は生まれない」との指摘もある。
しかし、筆者は「ピッチクロック」導入には全面的に賛成だ。
そもそも公認野球規則には、こんな条項がある。
公認野球規則 8.04 塁に走者がいないとき、投手はボールを受けた後12秒以内に打者に投球しなければならない。投手がこの規則に違反して試合を長引かせた場合には、球審はボールを宣告する。