フォロワーからの「この言葉で救われました」「心に響きました」という返信に、うれしくなることもたびたびある。
「車いすユーザーになるまでは、絵本の読み聞かせ活動を約20年続けてきました。“昔、先生に絵本を読んでもらいました”と、大人になった当時の子どもたちからツイッターでメッセージが届くことがあるんです。そのときの派手なファッションまで覚えていてくれることも(笑)。忘れないでいてくれたことに感動しますね」
「トラジャ担」たちと世代や環境を超え交流
志茂田のツイッターのフォロワーには、ジャニーズのアイドルグループ『Travis Japan』のファン、通称「トラジャ担」も目立つ。以前ネット上で、トラジャのメンバーである松倉海斗のポップなファッションが“志茂田さんみたい”と話題に。そのニュースを知った志茂田がトラジャに興味を持ち、そのままファンになってしまった。今ではジャニーズWESTやKing & Princeなど、ほかのジャニーズグループの動向にも注目している。
「トラジャのメンバーは、個性がひとりひとりくっきりしているんです。僕がトラジャに関するメッセージを発信すると、推しのフォロワーたちがそれに応えてくれる。みんな、メンバーのそれぞれの個性や、人間性に共感しているんだなと実感します。僕はコンサートには行けない身体ですが、フォロワーたちと世代や環境を超えて、一緒に楽しんでいます」
身体は少し不自由になったが心は決して不自由にならず、新しい世界で羽ばたく志茂田。新たな目標もある。
「エッセイはちょくちょく書いていて今年も出版予定ですが、編集者から小説を書きましょうと言われているんです。完成はいつになるか……なんてことは気にせず、じっくり取り組んでいます」
年齢を重ね、言葉との向き合い方にも変化があったという。
「若くて時間に追われていたころは、東京と大阪を新幹線で往復するあいだに長編の半分を書き上げたこともありました。
誤りが校正もされずそのまま出版され、恥ずかしい思いもしましたね(笑)。今はパソコンでの原稿入力も、無理をすると指が痛みます。でも音声入力を使いながら“1日2枚”なんてペースでゆっくりやっています。苦労すらも、むしろ楽しいですよ」
オンライン取材の画面の向こう側で、笑顔で取材に答える志茂田のヘアスタイルとファッションは、昔のままカラフルだった。
元気の原動力は昔も今も変わらず、おしゃれとときめきとチャレンジ精神! 志茂田の言葉が、今日もわたしたちに勇気と優しさをくれる。