目次
Page 1
ー モラハラ夫と24年の結婚生活に疲れ果て
Page 2
ー すぐにでも再婚したいのに立ちはだかる100日の壁
Page 3
ー 診断書をもらうのにこんなにお金がかかるの?
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ー いろいろな問題をはらむ再婚禁止100日という期間

 女性には再婚禁止期間(離婚後100日間は再婚できない)があったのをご存知ですか? これを廃止する法案が、令和4年12月10日国会で成立しました。ただし、施行は令和6年4月1日からなので、現時点で女性が離婚をしたら、新しい相手と再婚するには100日間を経過しないといけないのです。

 仲人をしながら婚活現場に関わる筆者が目の当たりにしている婚活事情を、さまざまなテーマ別に考えていく連載。今回は、この再婚禁止期間施行前に、100日を待たずして何とか再婚しようと奮闘した59歳の女性の話です。

モラハラ夫と24年の結婚生活に疲れ果て

 えみこさん(59歳、仮名)は、結婚生活24年目に離婚をしました。

「結婚24年と言っても、最後の10年は仮面夫婦でした。元夫は些細なことでキレる人。キレると、大声で私に罵詈雑言を浴びせながら、物にあたり散らし、部屋をメチャクチャにしてしまうんです。結婚当初からそうでした。ただ、私への肉体的暴力はなかったので、私が愛情をかけて彼に接していれば、いつかはその性格が直っていくのではないかと思っていました」

 ところが、キレて暴言を吐きながら暴れる性格は一向に直らず、そのうちえみこさんは妊娠、出産をします。

「子どもが授かったことはうれしかったし、子育ては楽しかった。でも、元夫がキレて暴れるのは日常茶飯事のことで、いっこうに改善されない。子どもが中1のときだったでしょうか。ある事でキレた元夫が、『この役立たずが。死ね、死ね、死ねー』と、“死ね”を大声で連呼されたんです。そのとき、“もうこの結婚生活は終わりにしよう”と離婚を決意しました」

 ただ当時、子どもはまだ中学生。これから高校受験、大学受験があるし、入学したら学費もかかる。

「元夫は好きなもの、愛するものへの執着が驚くほど強く、とにかく子煩悩でした。もし離婚となったら、絶対に子どもは手放さない。そうなると裁判になる。裁判で子どもを取り合うことで、子どもに精神的不安を与えたくなかった。また、弁護士を頼めば大きなお金もかかる。それならば、もう少し私が我慢をして、子どもが大学に入ったら行動を起こそうと思いました」

 そして、子どもが大学に入った年に、えみこさんは家を出ました。そこから別居して1年、59歳になりました。そんなときに、再婚したい相手に出会ったのです。