一方で、高野連の“矛盾”について指摘した。
「甲子園球場を無料で借りているとはいえ、球場にはかなりの数の広告が出ています。以前は、高校野球で使用する際には広告を隠していましたが、今では隠し切れないほどの広告があるので、そのままです。高校野球の聖地と言いながら、広告の聖地かと思うくらいです」
WBC日本代表のヌートバーが持ち込んだ“ペッパーミルパフォーマンス”を今年3月の春のセンバツで東北高校の選手が行い、審判から注意された。
「武道的な発想になってしまいますが、少し結果を出してガッツポーズをして浮かれると、足をすくわれてしまうという考えがあると思います。喜び合って、コミュニケーションを取るというのを、すべて否定はしませんが、すべて肯定したほうがいいという論調にも私としては賛同できないです」
ただ、注意をした審判や高野連についてはこう話した。
「あの行為を規制する理由はないんです。プレーが止まっているときに手袋を取ったり、汗を拭いたりするのは自由なので、そこでペッパーミルをやったから怒られるというルール上の理由はないんです。どういう根拠で指導しているんですか?という話です」
さまざまな理由で制約があるが、一番の問題点とは……
「議論ができないということが問題で、高野連に現場の意見が反映されているという実感は全くない。『ニューバランスのスパイクを使いたいからいいですか』とは高野連に目をつけられるのが怖くて選手も監督も言えません。
希望があれば、みんなで議論できるような風通しのいい組織になるべきですが、実際はそうはなってない。そういう意味では、高野連というのは閉鎖的な組織だと思います」
せっかく大谷翔平をはじめとする侍ジャパンのメンバーたちがもたらした野球フィーバーなのだから、高校球児たちを守りつつ、のびのびと楽しくプレーできる環境を大人たちが整備していってほしい。