自分が出ていた作品の魅力に改めて気づいた松田。この頃から“自分の全てをさらけ出そう”と自伝を書き始めていた。
海外からもイベントオファーが殺到
「40歳を超えて、人生の折り返し地点に来たときに、応援してくれている方たちに“自分のことを全部知ってほしい”と思ったんです。スピンオフ作品への出演が決まり、作品を通してこれまで抱いていた“仮面ライダー俳優”というコンプレックスを克服できました。ある時期、僕にとって最大の敵に見えていた“仮面ライダーナイト”は、最大の味方だった。そういう意味もこめて、本のタイトルを『仮面ライダーのなり方』にしたんです」
コンプレックスを武器に変え、俳優として活動している松田。台湾をはじめとした海外での『仮面ライダー』人気について、どう考えているのか。
「ここ2、3年で、海外からのイベントオファーが増えています。ある国のイベントに行ったとき“私たちの国と政治的に対立している場所に行ったら、先に私たちに会いに来て下さったことで、ネガティブな言葉をかけられる場面があるかもしれない。でも、特撮が好きなファンは、国が違ってもみんな気持ちは同じだから、どうか優しく接してあげてほしい”と言われました。自分の経験を通して、人種や国境、様々な問題を超えて人の繋がりを作ることができるのであれば、それは本当に嬉しいです」