コロナ禍の気疲れがザクザク人気を加速

 ザクザクフード流行の背景には、ASMRの流行もあると中山さんは分析する。ASMRとは咀嚼音や川などの自然音を収録した人気の動画ジャンルで、聴覚を刺激される感覚にハマる人が急増中だ。

「ASMR動画のなかでも揚げ物などを咀嚼するザクザク音は特に人気です。クリスピーな音が視聴者の食欲を刺激するのでしょう。コロナ禍で抑圧されたストレスが今、発散の方向に向いている。ある種ギルティな食べ物であるザクザクフードが“欲望のままに食べている”実感を与えてくれるのではないでしょうか」

 夏に向けてひんやりスイーツも含め、ザクザク食感フードはさらに増えるとのこと。

「ただしコメ文化の日本では、もちもち人気も根強いですね。今後はもちもち系はよりやわらかく、ザクザク系はより噛み応えを出しクリスピーにと、二極化していきそう」

 甘いザクザクから激辛ザクザク、冷た~いザクザクまで。今年の夏は“噛み応えグルメ”を堪能しよう!

教えてくれたのは中山秀明さん

ライター、フードアナリスト・中山秀明さん
ライター、フードアナリスト・中山秀明さん
【写真】絶賛バズり中の人気「ザクザク」フードの数々

ライター、フードアナリスト。雑誌とウェブメディアを中心に取材執筆を行うほか、テレビ番組や大手企業サイトでコメンテーターとして幅広く活躍。今年1月に「サクサクスイーツ」のブームを予測した。

<取材・文/中村未来>